祇園さん

伏見稲荷を出る頃はすっかり夜。
寅さんも一緒の今夜は美味しいものでもと祇園に向かうことに。

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伏見稲荷の駅、和服姿の女の子が何やら楽しそう。
この日も前日もあちこちで着物姿の若い女性を見かけました。
可愛らしいなぁと思いながらすれ違うと
聞こえてくるのは日本語じゃない。
海外からのお嬢さんに流行ってるのね。

真冬にショールもかけず寒そうにしている人も見かけたけれど
このお嬢さんたちは日本の方に見えた。
モダンな色柄で、可愛らしいなぁ。

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祇園到着。
まずは、八坂神社へ。
ここにも和服姿の女性がちらほら。
着こなしが板についていて、借着じゃないのは一目瞭然です。
場所柄、芸妓さんや舞妓さんもこちらにお参りするのでしょう。

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親しみを込めて「祇園さん」とも呼ばれているという八坂神社。
境内にもお店の出した提灯がたくさん並んで
地元に愛され親しまれているのがわかります。

空には朧月が浮かんで穏やかな夜。
八坂神社から見晴らす四条通り。

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スマが京都の母と慕う
研究室の助手さんお薦めの店があるというので
そこへ向かうことにしました。


# by sarakosara | 2017-03-19 17:43 |

伏見稲荷 行きは良い良い

平等院から向かったのは、伏見稲荷。

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着いたのは4時頃になってしまったけれど
今年初めての午の日ということで、大勢の人で賑わっていた。
いわゆる千本鳥居というびっしりと隙間なく鳥居が並ぶ場所は
混み合ってぞろぞろ歩き状態で
やっとカメラを出したのは千本鳥居を抜けてからのこと。

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千本鳥居と言われている場所は山の麓に当たる場所にあり
そのあとも寄進された鳥居は、稲荷山の頂上の近くまで一万本近く続いていることを
実は知らなかった。

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行けども行けども続く鳥居に正直驚く。
こんなにあったとは、さすが日本三大稲荷の一つだけのことこはある。
登り進むうちに、少しずつ人の姿が減り
行き交う人もまばらになってきた。
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やがて登りもだんだん傾斜がきつくなり
あたりもしだに宵闇が迫ってくる頃。

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霊剣あらたかな場所であればあるほど
やはり宵闇はその神秘の力が増すようで
逢魔が時という言葉も思い出す。

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ときおりすれ違う人も下りの人が多くなると
少々心細くなってくる。
地図を見ると、もう少し先に
開けた見晴らしの良い四つ辻という場所があることがわかったので
そこまで登って引き返すことにした。

やがて、京都の町を一望できる場所が開け
チラチラと灯りのともり出した街の景色に
ここまできてよかったね
今度はもっと早めにきて、山の上まで行こうと寅さんと話す。

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さて、帰り道。
ここからが「帰りは怖い」の始まりだった。

というのも、すっかり薄暗くなった足元がよく見えない。
ランダムな高さに一段一段続く石段の高低差と位置がよくわからないのだ。
一段踏み外して、とっさに体制を保ったけれど、危うく転びそうに。

まだまだ続く下り階段、明かりがついているところは大丈夫なのだけれど
薄暗い中の段差が見えない。
寅さんは大丈夫かしら?と心配して振り返るが、
あちらは大丈夫そう。
私だけか。
お母さん危ないよ、とスマが手を貸してくれたので
暗がりなのを幸い
しっかりスマの腕にすがって下るという情けないことになってしまった。

だいぶ下ったところに
このタイミングで「腰神不動明王」ののぼり。
足腰守護と書かれている。

いやいや、足腰は大丈夫なの。
目が「駄目」なのよ。

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とはいえ、寅さんもスマも笑っているので
夫婦の健脚を願ってお灯明をあげてきた。

思い返せば、ここ数年
駅の階段も下りが怖い時がある。
ことに、黄色い線があると途端に見えづらさが増す。
極端なガチャ目なので
若い頃から片方の目だけで見ることに慣れてきた。
それが年齢とともに、下りの段差が見えづらいことと関係しているのかも。

気持ちだけは若いつもりだけれど、
これからも折り合いをつけていかなくちゃならないことは
少しずつ増えていくのだろうな。
とりあえず、夜道の段差には気をつけなくちゃ。

だいぶ下り、人の姿も増えてホッとしたところに荒木神社という社があり
口入稲荷大神という縁結びのご利益がある神様がおられるとのこと
男女の縁だけではなく、人や物とのご縁にも良いとか
就活が始まるスマにも、いいご縁がありますようにとお願いしてきた。

そこでつい可愛くて引いた狐みくじ。
開くと末吉の文字。
末吉かぁと少しがっかりだったけれど
いや、欲張らず、末吉くらいがちょうどいいのかも。
ねぇ狐さん。



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# by sarakosara | 2017-03-10 18:27 |

平等院

平等院。
といえば、誰しも思い出すのが10円玉。
中学生の頃、奈良京都の修学旅行の時にここへ来たのか記憶になくて、
もしかしたら毎日の買い物で慣れ親しんできた姿に、初めましてだったかもしれない。

つい数年前、屋根の葺き替え、柱の塗り直しなど
お色直しをしていたいうだけあり、
朱塗りの柱も鮮やかに水面にその姿を映していた。
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平等院は、関白藤原頼道によって、
父道長の別荘を寺院に改め創建されたもの。

庭園も鳳凰堂も浄土の様子を再現しているもので
平安時代の浄土教美術の頂点が集約されているという。


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鳳凰堂の裏側から見上げた、鬼瓦
屋根の先端の鳳凰が西日にきらりと光っていた。
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宝物館に展示されていた、雲中菩薩供養像26体
様々な楽器を手に雲に乗って浮遊する姿が
優美でとても美しい。

極楽浄土とは、どんなところなのか。
誰も知らぬその世界
しかし誰もが見てみたいと憧れるその様子を
現世に表現してみようと
そんな思いがここに込められているのだろう。

鳳凰堂のぐるりを歩きながら
水面を渡る反橋を見て
私も想像をめぐらしてみた。

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# by sarakosara | 2017-02-27 20:15 |

引越し 梅香る頃

今年更新を控えていたミコの部屋。
折しも婚約者の彼も同時期に更新を迎えることがわかり
更新料も馬鹿にならない金額なので
お互いの親にもちゃんと挨拶も済んでいることだし
新居を探してしまおうかという運びになったのが
年明けのこと。

それから間もない先月末に
事後報告だけど、いいところが見つかったので
契約しましたと連絡があり
年度末の忙しい最中なので、
引越しするのならこの日しかないと決まった日取りが昨日、今日。
昨日は私も手伝いに行き
今日は職場の同僚が数人手伝ってくれる算段。

二人とも職業柄休みは取れず
どちらも独り暮らしの部屋からの引越しなので、
ほんとうにバタバタと慌ただしいことになった。

それでも即決しただけあって
ほんとうに明るい良いお部屋。
私はキッチンの荷ほどき、片付けを引き受け。
リビングと寝室は彼とミコで荷ほどき。

独り暮らし同士なので大概のものはすでにあるため
新しい買い物はダイニングテーブルのセットのみ。
ふたりで一緒に組み立てる声を
キッチンでききながら、
新しい生活が始まる初々しいときめきのようなものが
私にも伝わってくる。

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先週は荷造りの手伝い。
独り暮らし4年目のワンルームは
整理整頓されていて、荷造りもしやすいけれど
それでもダンボールがいくつも積まれていく。

一休みしようか
コーヒーでも飲みたいね。
うん、ちょうどひとパックインスタントのドリップコーヒーがあるから
入れるねと、ミコ。
あらかた食器も詰めてしまって
もう処分してしまおうかと
迷っていたカップがちょうど二つ。

まだ捨てないでくださいって言われてるみたいと、ミコが笑う。
ふたりでホッとひと息つきながら
ほんと、急に愛しくなっちゃうね、このカップ。とまた笑う。

あれよあれよと事が運び
結婚式を挙げるところからの心の準備がなかったので
急に手元から離れてしまうようで
すうっと心もとないような一抹の寂しさがある。

新居もとりあえずの賃貸だけれど
路線も二回乗り換え
何かというと行き来していた今までのようなこともないだろう。

よき伴侶を得たのだから
そのことはとても嬉しいのに。


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もう30年も前の父も同じような気持ちだったのだろうか。
それは父にしかわからないことだけれど
娘の嫁入りを一緒に祝い寂しさを分かつ妻はすでになく
ホッとする一方
手元で慈しんできた一人娘の私を嫁がせ
二十数年一緒に過ごしてきた日々を手放すこと
どんなにか寂しかったろうと思う。

自分が娘を送り出す時になって
あらためて父の気持ちに思い至る。
芋づる式に晩年の父のことまであれこれ思い出し
急にしんみりしてしまって
ミコの手前なんだか気恥ずかしくなって笑ってごまかした。

その日開き始めた父の庭の梅は
今朝はもうすっかり満開に近いほど開き香っている。




# by sarakosara | 2017-02-19 17:50 | 家族のこと

中村藤吉平等院店

京都二日目。
一日遅れで出発した寅さんと、三条の駅で待ち合わせ。
京阪の宇治駅で降りる。
宇治川の流れは速くて鴨川とはまた表情が違い
橋脚に当たる流れが水しぶきを上げていた。

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遅いお昼は、Mちゃんから聞いていた中村藤吉平等院店へ。
本店も近所にあるらしい。
お正月飾りの表玄関。

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お茶の老舗が開いている食事処で
噂を聞きつけたお客さんがひっきりなしに訪れ
着いた時は一時間待ちと言われたけれど
宇治川の流れを見ながら食事できるせっかくのロケーションと雰囲気、
諦めきれずに待つことに。

待ち時間がもったいないので、二人はどこか見てきたら?と言うと
スマが、この近くに世界文化遺産になっている宇治上神社があるよと言うので
行ってらっしゃいと二人を送りだす。

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海外からの観光客も多く
待ち時間のことや名前を書くシステムわかるだろうかと少し心配になる。
私の向かいで待っていた中国人らしきおばあちゃん二人
すっかり待ちくたびれて居眠りを始めた。
その間も次々と名前が呼ばれている。
順番飛ばされていないだろうか、呼ばれても眠ってわからないのだろうか。
少しは中国語がわかるし声をかけてみようか
それともお店の人に聞いてみようか
迷っている時に、離れたところからガイドさんらしき人が
お待たせしました〜と呼びに来た。
ほっ。

さてさて、人の心配している場合じゃない
気がついたらあと少しで順番。
慌てて二人に戻っておいでと連絡する。


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やっとありついたお昼。
二人が戻る前に席に案内されたので
まだ待っている人もいることだしと思い
私の一存で三人とも、生茶ゼリイの甘味もついた茶そばのセットを注文。

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生茶ゼリイは、そのものには甘みがなくて
お抹茶の濃い味がそのまま感じられる。
添えてあるあんこと一緒に食べると
甘みとほろ苦さがちょうどいい感じ。
甘いものが苦手な寅さんも、美味い美味いと。

ツートンのランチョンマットも素敵だった。
何色か組み合わせがあって、買うこともできる。
Mちゃん、美味しかったよ♪

お腹も満たされたので、平等院へ。









# by sarakosara | 2017-02-05 17:45 |

スマとの夜

Mちゃんと別れてからスマにすぐ連絡。
鍵を持って迎えに行くと聞いていたので
これから東山に向かうのでよろしくと。
ところがなかなか既読にならない
夕方は研究室からいったん出られると言っていたのに。
合鍵は持っていないので部屋に入れず
もう一度「おーい」と大声で。

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やっと連絡に気がついてくれて、無事にスマの部屋へ。
少し話してから
晩ご飯は近所に出かけて一緒にしようということで
スマは再び研究室に戻って行った。

好きに過ごしていてよ
近所を歩いてきてもいいんじゃない?
そうスマに言われていたので
まずはトイレと思って入ったら
あらやだ、掃除できてない。

部屋の掃除機だけはかけておいたよと言っていたけれど、
お風呂場も今ひとつな感じ。
私も泊まらせてもらうわけだし、ささっと掃除しちゃおうと。

となると、足りないものがあれこれ。
すぐ近所にスーパーがあるので買い出し。
翌朝の朝食やらなんだかんだ買って
トイレ掃除、風呂掃除、洗い物。

まぁ男の子の一人暮らし、
毎晩深夜まで研究室だというし
我が家の近くのミコのように
具合が悪くても来てやれない距離。
たまにこれくらいのサービスはしてやらなくちゃと
つい甘くなってしまう。

ひととおり掃除も終えて腰を下ろして時計を見ると8時。
そろそろお腹が空いたなぁ
でも、急かしちゃかわいそう。
テーブルの上の「あすなろ白書」を読み始めた。
昔ドラマがあったっけと
面白くなってきた頃、スマから連絡、9時をまわっていた。

連れていってくれたのは、神宮丸太町にあるクウカイという居酒屋。
こじんまりとしていて居心地のいいお店。
食材や味付けにもやはり京都らしさが感じられる。


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食べたら研究室に戻ると言っていたので
ビール一杯だけねと二人で乾杯。
ところがお料理は美味しいし、お酒も美味しいし。
スマも、ああたまにはいいかなぁと
リラックスモード。
もう誰も研究室には残ってないというし
やり残しもあと少しだから明日の朝早く行くよというので
うん、たまにはいいじゃない
好きなもの食べなさいよ、とまた甘くなる。

高校生の頃は一緒に出かける用事があっても
わざわざ隣の車両に乗るくらい
母親といることに照れや抵抗があったのに
今はこうして二人でお酒を飲むことができる。

カマをかけてもけして話さなかった話も聞けて
遠距離恋愛をしている彼女のこともスマの方から話してくれた。
そしてこれからのこと
研究、就職、山積みの難問もあること
時に弱音も垣間見せながらも
この先取り組んでいきたいことなど
彼なりに真剣に考えているビジョンがあることも知ることができた。

こちらにきた当初、夏になるくらいまでは
生きているのかと、本気で心配したこともあった。
そんな一年もなんとか過ぎていこうとしている。

ほろ酔いで外に出ると
底冷えのする夜気に震えあがる。
繁華街からは少し離れているので
もうあたりはすっかりひっそりと暗い。

自転車を押すスマにバッグを預け
コートのフードをすっぽり被って
両手で襟元を抑えても、カタカタふるえそうなくらい寒い。
でも、こんなふうにスマと歩く夜もいいものだ。
遠く離れて暮らして
お互いに今までとは違う気持ちで向き合うこともできたような気がする。


# by sarakosara | 2017-01-31 21:53 |