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ある文庫本の中

今朝方見た夢。
印象的だったので、忘れないうちに。

私は本屋で本をみていました。
文庫本の棚で特別なあてもなく、本をとっては返し、とっては返し。
と、背表紙に「あの時の空」という本があって、
ぱらぱらとめくってみると
それはモノクロの写真と一緒に、作者が自分の思い出を語っているものでした。
なんとなく心ひかれて、立ち読み。
中にわりと我が家から近い地名の場所があり、
川沿いのベンチに寝転がって見た空と、
そこからどう繋がっているのか、その人が子供だった頃の思い出が書かれていました。
題名は「人生最高の夏だった」
書かれていたのは、その人が子供の頃過ごしたある夏休みの日のこと。

そこは切通しのようになった坂道、
その向こうには青い海。
いつの間にか文章や写真が映像になって
そしていつのまにか、私もそこで一緒に歩いているような感じ。

お父さんらしい男の人とお姉ちゃんだと思われる女の子、
そして子供の頃の著者であろう男の子。
海水浴の帰り道らしい。
みんな心地いい疲れが顔に出て、でも幸せそう。
ポツポツとおしゃべりしながらの帰り道なのだろう、
何か話しながら、女の子が、「ねぇ、お母さん」と、振り返ると
そこにいたのは別の家族の母親でした。

女の子は、顔を赤らめて、間違えてしまいました、というように少し会釈しながら
あれ?お母さんは?というように後ろを目で探す。
お父さんと、男の子も一緒に後ろを振り向く。

ある文庫本の中_f0231393_1045196.jpg

すると、遠く坂の下、海の方からお母さんが駆けて来るのが見えた。
ふっくらと太っているけれど、
スカーフで髪をたばね、日焼けした顔には健康そうな、はじけんばかりの笑顔。
最初に空をみて寝転んでいた男の人によく似てる、美しい人だなあと思いました。
家族の顔もパッと明るくなります。
お母さん、後ろにいると思ったのにどうしちゃったのよ~と、女の子。
ごめん、ごめん、と手を振っている。

母親の後ろに見える海が、きらきらと輝いてみえる。
一緒にいる私も、その人の思い出の中で、一緒に幸せな気持ちになった。

ただ、そんな夢。
目覚める直前だったので、起きてよくおぼえていました。
なのですぐキーワードだけメモしておいた夢。
by sarakosara | 2011-02-14 08:37 |

遠きにありて思ふもの


by sarakosara