ある文庫本の中
2011年 02月 14日
印象的だったので、忘れないうちに。
私は本屋で本をみていました。
文庫本の棚で特別なあてもなく、本をとっては返し、とっては返し。
と、背表紙に「あの時の空」という本があって、
ぱらぱらとめくってみると
それはモノクロの写真と一緒に、作者が自分の思い出を語っているものでした。
なんとなく心ひかれて、立ち読み。
中にわりと我が家から近い地名の場所があり、
川沿いのベンチに寝転がって見た空と、
そこからどう繋がっているのか、その人が子供だった頃の思い出が書かれていました。
題名は「人生最高の夏だった」
書かれていたのは、その人が子供の頃過ごしたある夏休みの日のこと。
そこは切通しのようになった坂道、
その向こうには青い海。
いつの間にか文章や写真が映像になって
そしていつのまにか、私もそこで一緒に歩いているような感じ。
お父さんらしい男の人とお姉ちゃんだと思われる女の子、
そして子供の頃の著者であろう男の子。
海水浴の帰り道らしい。
みんな心地いい疲れが顔に出て、でも幸せそう。
ポツポツとおしゃべりしながらの帰り道なのだろう、
何か話しながら、女の子が、「ねぇ、お母さん」と、振り返ると
そこにいたのは別の家族の母親でした。
女の子は、顔を赤らめて、間違えてしまいました、というように少し会釈しながら
あれ?お母さんは?というように後ろを目で探す。
お父さんと、男の子も一緒に後ろを振り向く。
すると、遠く坂の下、海の方からお母さんが駆けて来るのが見えた。
ふっくらと太っているけれど、
スカーフで髪をたばね、日焼けした顔には健康そうな、はじけんばかりの笑顔。
最初に空をみて寝転んでいた男の人によく似てる、美しい人だなあと思いました。
家族の顔もパッと明るくなります。
お母さん、後ろにいると思ったのにどうしちゃったのよ~と、女の子。
ごめん、ごめん、と手を振っている。
母親の後ろに見える海が、きらきらと輝いてみえる。
一緒にいる私も、その人の思い出の中で、一緒に幸せな気持ちになった。
ただ、そんな夢。
目覚める直前だったので、起きてよくおぼえていました。
なのですぐキーワードだけメモしておいた夢。