かけがえのない人
2011年 04月 23日
昨日の朝一番のニュースで知って、ほんとうにびっくりした。
微笑がえしをききながら、涙がこぼれた。
この歌が流行った頃、私は専門学校に通う19歳、
本屋さんのアルバイトをしながら、有線で何度も流れるこの歌をきいた。
三人の中では、少しぽっちゃりとした愛くるしい印象のスーちゃん。
私より少しだけ年上だったけれど、可愛いなあと思った。
学校のすぐそばにある後楽園球場で、最後の解散コンサートがあったこと、
教室の横のガラス張りの廊下から後楽園球場を見下ろして
あそこでさよならだったんだねと、友達と話したことをおぼえている。
その後、故夏目雅子さんのお兄さんと結婚されたことは聞いていたが
しばらくたってドラマなどに出るようになってからのスーちゃんは
田中好子という女優さんになっていた。
色々なドラマに出ていたが、
連続テレビ小説「ちゅらさん」のお母さん役も好きだった。
おっとりとしていながら、芯はしっかり。
なんくるないさぁ~と言う笑顔が素敵。
若い頃の、はちきれんばかりの愛くるしさは、
いつの間にか、歳を重ねたやわらかな美しさに変わっていた。
その頃にはすでに癌との闘病中だったとは、知る由もない、そんな笑顔だった。
そして、やはりスーちゃんと同じ病気で昨年なくなったブログの友達
マロンママさんのことが重なる。
病気のことをみんなが知ったと思った間もなく、
あっという間に逝ってしまったマロンママ。
それからも野の花や、日々のささやかなことの中に
ふっと懐かしく愛おしく思い出されるマロンママだけれど、
震災があってから、ますます想うことが多くなった。
こんな時マロンママだったら、どう思うんだろう、
何て言ってくれるんだろう、と。
きっと何人もの友達が同じことを感じているのだと思う。
あらためて、彼女の残していったものの大きさを思う。
死なない人はいない。
誰一人としていない。
けれど、やっぱりさびしい。
誰にだって、かけがえのない人がいるはず、
この震災でも、愛するかけがえのない人をどれだけ多くの人が失ったことだろう。
思えば私の母もちょうど田中好子さんと同じ年頃、54歳に亡くなっている。
まだまだ若かったんだな。と、あらためて思う。