えいやっ!と飛び出すあの一瞬を愛してる
2012年 04月 11日
今年度、今までのパート待遇から、嘱託職員になり、
念願のというか、やっとやっと有給休暇もできました。
はぁ、苦節?12年。
さぁがんばろうと。現金な私。
そんな今日は短い春休み中に読んだ一冊から。
なんでも好きになると、とことん知りたくなってしまう性分。
2月に記事にしたandymoriの小山田壮平君のこと、
彼の書く詞が好きで色々調べていた。
そして、彼にお姉さんがいることも知った。
同じく書くことの好きな文才にあふれた女性だったらしい。
なぜに過去形かというと、彼女は2005年に24歳の若さで亡くなっているからだ。
旅が大好きで、最期になってしまったのも旅先。
アルゼンチンのカラファテというところで、
冒険家で写真家である当時の恋人の運転する車が横転し、
同乗していた彼女だけが命を落としてしまった。
小山田咲子さんのことは、こちらに要約して書かれてある。
そんな咲子さんが綴っていたブログの記事をご両親がまとめられた本があると知り、
どうしても読んでみたくなった。
「えいやっ!と飛び出すあの一瞬を愛してる」
この題名も記事からの一節だ。
巻頭の写真、まっすぐ見つめる眼差しに射抜かれる。
早稲田大学在学中の2002年から、亡くなる2005年までの三年間のこと。
ぜんぶで500編くらいある記事から190編あまりを抜粋して本にまとめられている。
まだ二十歳を超えて間もない若い彼女の綴る言葉、
私からしたら正直言って若いなぁと微笑ましくもあり、
ふふふ甘いなあと思うこともある。
けれど、きゅんと胸が痛むようなほろ苦いような甘酸っぱいような気持ちも感じる。
それはたぶん自分のその頃がよみがえるから。
彼女ほどの感受性はなかったにしても、
私もやはり書くことが好きな女の子だった。
世の中の矛盾や、自分というもの、恋のこと、むちゃくちゃ自意識過剰で、
けれど真摯で、またいい加減で、
そんな混沌とした年頃。あの頃の自分が甦るのだ。
咲子さんは、色々なことに感度が高く興味をもっていた。
アルバイトしては世界中一人旅に出る。そこでまた新たなことを感じてくる。
当時から原発のこと、以前私が記事にした祝島のことも書かれてあった。
今彼女が健在であったなら何を感じ書いたのだろうか。
最後となったブログの記事を読み終わった時に、
ああ、もうこの人が書く新しい文章はどこを探しても読めないのだと、
ほんとうにさびしかった。
その中に、ちょうど今の時季、桜のことを書いた文章があった。
続く
日曜日に寅さんとでかけた近所の土手の桜。