夜の先斗町

夕方になってあの夏雲はどこへやら
急に雲行きがあやしくなってきました。
ホテルに向かう途中からすーっと涼しい風が吹き出し
怪しい雲がむくむくと。
夕飯はミコがプレゼントでごちそうしてくれるということになっていたので
いったんホテルに入り、
汗をひかせてから町を歩いていこうということになったけれど
お天気はもってくれるだろうか。

ほんの一休みして
外に出るとまだ雨は落ちてきていない。
今のうちだねと裏道を歩きます。
町は裏道が楽しい、ましてここは京都、
歩かなくちゃ損損。
京都は碁盤の目だからわかりやすく
ひとつひとつの通りにも古くから愛されてきた名前があって
そんなことも楽しい。
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寅さんのお祖母ちゃんは京都の人でした。
京都独特の町家、間口のせまい昔ながらの家だったという。
時々義父が昔話をしてくれたこともあったけれど
いったいどのあたりだったのだろう。
東京に嫁いできて30代で亡くなっているので
すっかりそちらの親戚とは疎遠になったきりわからないということでした。
京都にきて昔作りの町家をみかけると
ふっとそんな見も知らぬ寅さんのお祖母ちゃんのことを思い出す。

先斗町まで半分も歩いたあたりで
大粒の雨がぽつんぽつんと落ち始め
じきに大降りの気配。
ちょっと雨宿りしようと通りの手頃なマンションのエントランスの軒下を拝借。
すぐに横殴りの雨。
小降りにならないかしら
予約の時間に遅れちゃうし、仕方ないから歩こうかと
あきらめかけた頃すっと小降りに。
よし、いまだと歩き出します。
雨にぬれた先斗町の裏通り。

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この雨でミコが予約してくれてあったお店の
川床は無理らしく
きゅうきょ店内に席を準備してくれてありました。
残念だったけれど、前回もほかの店で川床は経験済み
また違った風情も楽しみだね。
そう言っていたとおり、
鴨川が見渡せる素敵な席を用意してくださった。
お店の配慮に感謝。
そして食事も終わりかけた頃
お店の方が、
「雨がやみましたので、デザートだけでも外で召しあがりますか?」
とまたまた嬉しい心配り。
なんだか一粒でふたつ美味しいみたいな感じになちゃったねと
ミコとにっこり。
川床におりて、さっきまで食事をしていた二階をみたところ。
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夏の宵の雨あがり、
少しひんやりした夜風をうけながら
二粒目の美味しい甘味。
素敵な夕食をありがとうミコ。

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このあと鴨川沿いを散歩して
こんどは雨の心配をせずのんびり夜の京都の裏道をぶらぶら。
京都の台所といわれる「錦市場」も
すでにシャッターがおりてひっそり。
しんと長く続くアーケード
昼間の賑わいを想像しながら歩くと
どこか異次元を歩いているような不思議なワクワクを感じる。

ミコの大好きな森見登美彦氏の「夜は短し歩けよ乙女 」の
ワンシーンのような夜。
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学生の頃からミコが好きということもあってか
この黒髪の乙女によく似てると言われることのあるミコ。
ちょっと風変わりなところも
何か不思議な縁を感じる主人公です。
そのお話は最後に。

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by sarakosara | 2014-09-15 12:09 |
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