立冬の北陸 東尋坊

三月初日は雨の日曜日です。
あれから4ヶ月の
どこまで行ったっけ?状態の北陸旅行ですが
旅は最終日、コメントもちょっとお休みして
スピードアップします、もうちょっとだけおつきあいください。

五箇山から直行したのは、加賀温泉。
ここでもう一泊しました。
こちらの夜のことなど
美味しいことはあとでまとめて。

さて、翌日最終日は雨模様だったのですが
この日は一日定期観光バスに乗ることにしていたので
運転はおまかせで、のんびりゆきましょうと。
まず向かったのは東尋坊。
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東尋坊は海食によって海岸の岩肌が削られた
輝石安山岩の柱状節理という
高さ約25メートルの岩壁が続く地質上極めて貴重な断崖。
福井県坂井市三国町にあります。

30数年前まだ独身の頃
友達と金沢から京都に向かう途中に
このすぐそばに泊まったことがありました。
あの時も真冬の2月ころだったはず
空は時雨れて波が荒々しく人影もあまりなかったけれど
泊まった小さな旅館で夕食に出た蟹が
それはそれは美味しかったことをおぼえています。

この日も細かな雨が時折落ちてくるあいにくの天気
足場もあまり良くなくて
そろそろと突端まで行こうとする寅さんに
ストップ、ストップと声かけ。
切り立った岩場をみながら
ガイドさんの話してくれた言い伝えを思いました。

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昔むかし、平泉寺というお寺に
東尋坊という怪力の悪僧がいて
誰も手がつけられず
困り果てたほかの僧侶たちが、東尋坊をだまして誘い出し
酔って眠ったすきに、この海へ投げ入れてしまったところ
にわかに一天かき曇り豪雨と雷鳴
東尋坊の怨念が他の僧をも絶壁の底へと吸い込んでいった。
それ以来この断崖を東尋坊と呼ぶようになったと。

そんな伝説がよく似合う風景
ことにこんな雨の日は下から吹きあげてくる風に足がすくみ
そろりそろりと、一歩ずつ歩を進めても
小さな岩がごつごつで滑りそうになる。
傘をさしながら危うい足元だったので
写真もほどほどに引き返してきました。

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すると、どこからともなくいい匂いが。
土産もの屋の店先の大鍋の蟹汁でした。
蟹大好きの私の様子をみて
寅さんが、食べる?と訊いてきたけれど
さすがに朝食を食べて間もないし
バスにもどる時間もあるしで、断念。

しかし、ほんとうに心残りするほどいい匂い。
東尋坊の蒼茫とした風景に
ほっとする一こま。
30数年前同様、また東尋坊の風景に
蟹の記憶が一緒に刻まれることになりました。
by sarakosara | 2015-03-01 15:28 |
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