スマとの夜

Mちゃんと別れてからスマにすぐ連絡。
鍵を持って迎えに行くと聞いていたので
これから東山に向かうのでよろしくと。
ところがなかなか既読にならない
夕方は研究室からいったん出られると言っていたのに。
合鍵は持っていないので部屋に入れず
もう一度「おーい」と大声で。

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やっと連絡に気がついてくれて、無事にスマの部屋へ。
少し話してから
晩ご飯は近所に出かけて一緒にしようということで
スマは再び研究室に戻って行った。

好きに過ごしていてよ
近所を歩いてきてもいいんじゃない?
そうスマに言われていたので
まずはトイレと思って入ったら
あらやだ、掃除できてない。

部屋の掃除機だけはかけておいたよと言っていたけれど、
お風呂場も今ひとつな感じ。
私も泊まらせてもらうわけだし、ささっと掃除しちゃおうと。

となると、足りないものがあれこれ。
すぐ近所にスーパーがあるので買い出し。
翌朝の朝食やらなんだかんだ買って
トイレ掃除、風呂掃除、洗い物。

まぁ男の子の一人暮らし、
毎晩深夜まで研究室だというし
我が家の近くのミコのように
具合が悪くても来てやれない距離。
たまにこれくらいのサービスはしてやらなくちゃと
つい甘くなってしまう。

ひととおり掃除も終えて腰を下ろして時計を見ると8時。
そろそろお腹が空いたなぁ
でも、急かしちゃかわいそう。
テーブルの上の「あすなろ白書」を読み始めた。
昔ドラマがあったっけと
面白くなってきた頃、スマから連絡、9時をまわっていた。

連れていってくれたのは、神宮丸太町にあるクウカイという居酒屋。
こじんまりとしていて居心地のいいお店。
食材や味付けにもやはり京都らしさが感じられる。


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食べたら研究室に戻ると言っていたので
ビール一杯だけねと二人で乾杯。
ところがお料理は美味しいし、お酒も美味しいし。
スマも、ああたまにはいいかなぁと
リラックスモード。
もう誰も研究室には残ってないというし
やり残しもあと少しだから明日の朝早く行くよというので
うん、たまにはいいじゃない
好きなもの食べなさいよ、とまた甘くなる。

高校生の頃は一緒に出かける用事があっても
わざわざ隣の車両に乗るくらい
母親といることに照れや抵抗があったのに
今はこうして二人でお酒を飲むことができる。

カマをかけてもけして話さなかった話も聞けて
遠距離恋愛をしている彼女のこともスマの方から話してくれた。
そしてこれからのこと
研究、就職、山積みの難問もあること
時に弱音も垣間見せながらも
この先取り組んでいきたいことなど
彼なりに真剣に考えているビジョンがあることも知ることができた。

こちらにきた当初、夏になるくらいまでは
生きているのかと、本気で心配したこともあった。
そんな一年もなんとか過ぎていこうとしている。

ほろ酔いで外に出ると
底冷えのする夜気に震えあがる。
繁華街からは少し離れているので
もうあたりはすっかりひっそりと暗い。

自転車を押すスマにバッグを預け
コートのフードをすっぽり被って
両手で襟元を抑えても、カタカタふるえそうなくらい寒い。
でも、こんなふうにスマと歩く夜もいいものだ。
遠く離れて暮らして
お互いに今までとは違う気持ちで向き合うこともできたような気がする。


by sarakosara | 2017-01-31 21:53 |
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