夜曲 at きさらぎ

先斗町からほど近い場所
スマについていった路地裏のそこには
こんな張り紙が。
BAR「きさらぎ」
妖しさ満点。
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初めて入るのなら、ためらってしまいそうだけれど
スマは何度か来たことがあるというし
なんといっても、中島みゆきの名前と、きさらぎに惹かれる。

スマ自身中島みゆきも聴くけれど
私のかつてのブログネームきさらぎも思い出し
なんとなく寄ってみたという。

小さな雑居ビルの薄暗くて細い階段を二階に上がる
奥行きもさほどないこれまた細い通路の両側には
いくつかドアが並び
いずれ劣らぬ一種独特の雰囲気を醸し出している。

奥手の小さなドアを開けると
予想をさらに超える狭い空間で、
L字のカウンターには8席。
壁一面に来店のお客さんのスナップが貼られている。

カウンターの中には
これも想定外の若い女性がひとり。
夜の雰囲気ではなく
シャツにジーンズみたいな清楚でラフな感じ。

スマは顔見知りらしく、女性の、どなた?というような顔に
「両親を連れてきました」
と、少し照れながら答えていた。
マスターご夫妻は私や寅さん世代らしいが
旅行でお留守で、その間このお嬢さんが店を任されているという。

カウンターの奥にはスーツ姿の中年男性二人
仕事の話をしている。
L字の短い方には普段着姿の男性ひとり。
その間に三人座らせてもらった。

後から賑やかな男子二人連れが加わり
途中で常連らしいおじさんがひとりドアを開けて覗いたけれど
今いっぱいという女性の答えに
また来るわと帰っていった。

チャージ料なしで良心的なお値段。
角ハイボールを頼んで他の方のリクエスト曲にひたり、いい気分。

お母さんも何かかけてもらう?
スマの言葉に
手作りの、かなり年季の入った曲名集を開いてみたものの
実は店に入った時から、
かけてもらいたい曲はほぼ決まっていた。
臨月というLPの中の「夜曲」という歌。

1981年に出たアルバム。
私は母を亡くして間もないころ
そしてまた、恋する頃だった。

悲しい歌も、愛しい歌も、みんなあなたのことを歌っているのよ。

あの頃は中島みゆきよりユーミンの方が好きだったし
むしろ洋楽のLPを月に二枚くらいのペースで買っていたし。
でもこんなふうに、胸が疼くような懐かしさを感じるのは
中島みゆきの歌なのかもしれない。

彼女の歌は幸せな時よりも
悲しいとき、つらい時
何かを乗り越えたい時に心に添うような気がする。

それが今も聴き続けられている所以なのか
この日も後から20代と思われる青年が一人で入ってきた。
母親がよく聴いていたんですと
話し始めてみたらスマと同じ歳で話がはずむ。

色々な世代の見知らぬ人が
中島みゆきを聴きながら時を過ごす。
タカセ会館二階
不思議な空間だった。

夜曲を貼りたかったけれど
オリジナルはなかなかないので
素敵なカバーがあった曲「ホームにて」





帰りがけ寅さんとスマと三人の写真も撮ってくれた。
すっかりいい気持ちになって店を後にし
冬の京都の夜を歩いた。
あの時の写真
今頃高瀬川の近くのBERきさらぎの一枚に加わっているのだろうか。















by sarakosara | 2017-04-08 17:10 |
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