2013年 11月 30日 ( 1 )

旅はとらぶる

二日目の日曜日の天気が思わしくないらしいとのことで
初日の富士山を期待していたのだけれど
無情にも予報より早めに雲がたれこめ、寒くなり
どこをみても富士の姿はなし。
富士急の「富士山号」の中からも、
忍野八海でも
晴れていたら、あのあたりに富士山があるんだねぇと、
ため息まじりの慰め合い。

当日になって、やっと
見えなければ何ともならない旅の目玉だったのだと気づくという。

忍野八海のどこまでも透き通る紺青の泉をみても
そこに映る灰色の雲がうらめしく思われました。

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それはそうと、忍野八海の人出の多いこと。
富士山が世界遺産になったことも後押ししてか
海外からのお客さんも増えて
池のぐるりを並んで歩くよう。
小学生の頃、林間学校で歩いた
忍野八海の神秘的な姿とは少しイメージが変わっている。

人波を避けるように歩いていくと
小さな流れと、そこに沿うように続く小道が。
ほっとしながら歩を進めると深まる秋の里の景色が開け、
コッツウォルズとはいかないまでも、
清らかな流れをみながら歩くのはなんとも心地よくて
富士山が見えないという言葉を忘れたひとときでした。
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さて、忍野八海をあとに、湖畔の宿をめざします。
この夜の宿泊は河口湖を臨む温泉ホテル。
富士山が見える部屋でと頼んであったのですが
着いてからこの宿からの眺望の売りは湖側にありとわかりました。
それでも富士山が見えれば救われたものを
富士山が見えなければ、な〜んでもない部屋(笑)
いやはやリサーチ不足、
大浴場に入るのが難しいセーコちゃんにと部屋付き露天風呂のあるという点
富士山というキヌちゃんにお部屋から富士山が見えたら喜ぶだろなぁということ。
親御さんのことでみんな忙しく、みずから幹事を買ってでて
じゅうぶん考えたつもりだったけれど、
あいかわらず詰めの甘さがこんなところに。
そんな私の気持ちを察してか
「でも暗くなっちゃえば湖も富士山もわからないもんね」
「温泉にゆっくりつかって、美味しい夕飯食べよ〜」
「美味しいビールのも〜」
ああ、友よ!

さて、そして待望の上げ膳据え膳タイム。
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と、この写真を撮ったものの
どうも食欲がわいてこない。
お風呂上がりから、なんだかやけに疲れたなぁと思っていたのだけど
お膳いっぱいに並べられたご馳走を見た頃から
どうも体調があやしくなってきました。

せっかくみんなそろっての久々の旅の
ある意味メインイベントの夕食。
ここで具合がよくないなんて言ったらみんなのテンションもさがっちゃう。
困ったなぁ。
最初は我慢して、話しに夢中なふりして食が進まないのを隠しながら
ちびちび箸をつけていたけれど
もういよいよ無理だとなってきた。
何となく気づいていた向かいの席のサッちゃんも訝しげな顔をしている。

風邪でもひいたかな、明日もあるのにどうしよう。
そんなことも思ったれど、どうも違う。
もしかして?
そうだ、そうに違いない。

ここで正直に言いました。
「なんだかちょっと具合が悪くて、急に食べられなくなっちゃった
もしかしたら、湯疲れかもしれない」

時間が経つにつれて、もしかしたらは確信になった。
以前にもあった湯疲れ。
湯あたりというのかと思ったら、私のケースは湯疲れといういうらしい。
どうも温泉に弱いらしいのです。
ずっと仕事が忙しくて前日までハードスケジュールの中だったというのもあるかも。
こんなに急に食べられなくなるなんておかしいもの。
以前の経験から気をつけてはいたのだけれど
いいお湯だったから、ついつい長湯になってしまったようだ。

基本的になんでも美味しくいただけて
ことに作ってもらったものを残すことほど心苦しいことはない。
少々多いなと思っても残すよりはと食べてしまうほう。
でも今回はどう逆立ちしても無理だった。
よりによって、楽しみにしていたみんなとの温泉の夜に。

お部屋付きの可愛らしい仲居さんに
どうも湯疲れしてしまったので、お料理を私の分だけとめてほしいと頼んだが
それは無理だとのこと。
事情はわかりましたので無理しないでくださいね
ただ、お止めするこは難しいのですと。
やむなく次々出されるお料理を
牛肉の鉄板焼きも、お造りも、松茸も涙なみだで、見送った。
もったいない。
友達が食べられたらと思ったけれど
みんなも自分の持ち分でいっぱいいっぱい。

案の定、もうそろそろお料理も終盤という頃になって
少し落ち着いてきた。
すでにほとんどの料理は下げられ、残すはデザートという段階。
最後の果物とケーキはすんなりお腹におさまって
みんなに笑われた。
いや、笑って終わってよかった、
富士山が見えないうえに、
熱でも出てみんなに迷惑をかけていたら大変だった。
やれやれやれ。

ひとしきりおしゃべりをしてから
4つ並べた布団にぬくぬくと潜り込んだ。
布団の中でキヌちゃんが言った。
「わぁ腕が、すっべすべだよ」
言われてみんなも手のひらをすべらせると
ほんとうにすべすべだ。
とても効能の高い温泉らしい。
富士山は見えなくても、湯疲れしても
こうして無事に夜はふけていった。
by sarakosara | 2013-11-30 13:12 |