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花嫁

昨日は福島の会津若松で姪の結婚お披露目会。
オリンピックの開会式のあった昨日
早朝に家を出ました。

そこはお相手である彼のふるさと。
昨年3月3日に入籍した二人でしたが
その後と思っていた式があの震災でずっと延期されていました。

二人は現在東京在住だけれど、
いつかふるさとでお披露目をしたいとの気持ちをずっと持ち続けていたようです。
宴の最後に新郎からあった挨拶の言葉をききながら
胸がいっぱいになった叔母さんです。
暑い中東京方面からかけつけた親族も
みんなよかったねと、そんな面持ちでした。

今回は若い二人ですべて決めて準備もすすめたので
母親である義妹も
花嫁のドレスさえ当日まで見ることがなかったそう。
無事に終えるのかしらと心配していました。
けれど、ふたりでとりしきった宴はささやかでありながら
とても温かく素敵なもので、
義妹もほっと目を細めていました。

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私と寅さんの結婚式の時には、まだ7歳だったY子ちゃん。
おねえさんへと書かれた愛らしい手紙をくれました。
あの日フリルの可愛い赤いドレスを着て花束を手渡してくれたけれど、
昨日はその彼女がウェディングドレスを着た花嫁さん。
私も彼女に手紙を渡しました。
どうぞ幸せにね、Y子ちゃん。

諸般の事情でとんぼ返り
ちょっとハードなスケジュールだったけれど、
あたたかな、新郎の親族の方々とのふれあいもあったお披露目会。

後日もう一度だけ追記します。
by sarakosara | 2012-07-29 15:20 | 想う | Comments(12)

海岸通り

車を降りるとすぐに潮の匂い。
ああ、海がそこにあるのだとしらせてくれる。

コンサート会場の開館時間まで少し間があったので
海の見えるところまで行ってみようと、寅さんを誘う。
雨をふくんだ空を映して海は少し暗い色だけど
潮の香りが心地よい。

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港まで出ると、
私たちと同じことを考えたのであろう二人連れがあちこちにいて、
なんだか気恥ずかしくなった。
でも、この時、この場所で一緒に過ごせることに感謝。

海岸通。
私の好きな思い出の歌。






まだ旅便りの途中ですが、
明日は新幹線に乗って、こんどは北へ。

コンサートから始まる後半は、週明けに書いていきます。
by sarakosara | 2012-07-27 23:12 |

櫛田神社

表口だと思って入ったのは、実は裏門だったようで
つかの間の雨の止み間とあって人影もまばら。
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境内に入るとじきに大きな飾り山が。
以前はこの飾り山と言われるものも実際に曳かれていたようなのですが
架線にかかる等の理由で、飾るだけの飾り山と実際に曳く曳き山に別れたとか。
これは通例祭り期間中にしか見ることができないはずの飾り山を
歴史を伝えるために唯一常設されているものだそうです。
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今回は残念ながら博多に着いたのがちょうど祇園山笠の宵山の翌日。
実際に観ることができたら、一昨年の夏にミコと行った
京都の祇園祭でみた「山鉾巡行」との雰囲気の違いなど感じられたかもしれません。

京都の祇園祭りが華やかで優雅な雰囲気であるとすれば
博多祇園山笠は、豪快で勇壮な感じ。
翌日に「博多町家ふるさと館」でみた祭りの様子が映された映像から伝わってきたのは
曳き山を曳く男衆の勇壮な祭りというイメージ。
汗だくになって祭りに全身全霊ですべてをかける横顔のかっこいいこと。
すっかり見惚れてしまいました。
神社の手水舎にも、山を曳く男衆の姿を描いたレリーフがあり
この豪快な祭り、いつか観てみたいものだと思わせてくれます。
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本殿にまわりお参りをするあいだも雨は落ちて来ず
雲の切れ間からは青空もほんの少しのぞき。
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表門をくぐって、
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博多の氏神・総鎮守である
櫛田神社をあとにしました。
by sarakosara | 2012-07-27 22:40 |

博多川端商店街

すっかり降りこめられてしまったと思ったけれど
地上に出ると雨は小やみ。
夕方までそれほど時間があるわけではないし
またいつザッと降ってくるかもわからないので
博多で歴史があるという、博多川端商店街まで行ってみました。

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街はとにかく歩いてなんぼ、
歩いてみると街の全体像、方向がだんだん見えてくる。
そして商店街も街の顔。

止んだかと思うと急にシャワーのように降ってくる
あいにくの空模様だけれど、
私はてろてろの生地のワンピースに
いっそ濡れてもすぐに乾くようにと細いストラップのサンダルに素足。
ずんずん快調に歩きます。
いっぽう寅さんにも雨仕様でといったのに、
これなら大丈夫と言った靴はだんだん雨がしみ込んでしまったようで
急遽靴下を買い増し。
それでも空のご機嫌をうかがいながら歩く歩く。
幸い商店街はアーケード、
うまい具合に土砂降の時はこの傘の中でした。

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季節柄、お盆提灯の並ぶお店も数軒。
写真上部、円筒形の長い吊り提灯
関東ではあまり見ない形だなぁと思ったら
これが住吉(すみよし)といわれるもので
博多の住吉町で使われはじめたものらしいのです。
ほかに、博多長(はかたなが)というものもあって
上部の手板の両脇と下輪から房を垂らした、長い吊り提灯のこと。
どうやら博多は盆提灯にゆかりのある場所のようです。

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そしてこの日の前日まで行われていたのが博多祇園山笠。
博多祇園山笠は、
毎年7月1日から7月15日にかけて開催される伝統のある祇園祭のひとつで
櫛田神社に奉納される祭りです。
街にはまだ宵山の名残があちこちにあって、
商店街にも山笠の様子が描かれた手ぬぐいやポスターがありました。

街を駆け抜ける男衆のいなせないでたち。
よか男ばい!
てぬぐいを一枚買って、お店の方に
どのあたりを鉾が駆け抜けて行くのか訊いてみたら
丁寧に説明してくださったあとに、ちらしと団扇をいただきました。

このすぐ先が櫛田神社だから行ってみるといいですよとのことで
ちょうどあがった雨のしずくがまだ木々からしたたる
櫛田神社まで。

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by sarakosara | 2012-07-23 22:22 | | Comments(14)

天神さまのいかづち

福岡に着くと、案の定厚い雲の下。
空港ではまだ落ちていなかった雨が
中州川端の駅で降りたら、もうポツポツ降り始めていました。

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そしてホテルに荷物を預けてお昼でもとバスを待っていたら
いきなりスコールのような雨に。
やっとのことでバスに乗り込むも、町中は大渋滞でめざす長浜は遠く。
予定変更しようと降りた天神では
ドーンと鳴りひびく雷。
これは雷神である天神さま、菅原道真公の落とすいかづちかと
そんなことまで思わせるような雷鳴と雨。
あわてて地下街に避難しました。

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とにかくお昼をと、あきらめた長浜ラーメンの代わりにいただいのは
博多黒伽哩堂 の黒カレー。
たまたま地下街でみつけて寄ったけれど
後で調べてみたら、福岡天神の『やみつき黒カレー』とも言われるとか。
なかなか美味しくて、ラーメンからの変更も満足の味、
あっという間にぺろっと食べて写真無し(笑)
雨からのがれて、ほっとひといきつきながら
さて、夕方のコンサートまでどこに行こうかと
寅さんと地図を広げて相談です。
by sarakosara | 2012-07-23 06:11 | | Comments(6)

降ったり晴れたり

旅の報告がすっかり遅れてしまいましたが
とてもいい旅でした。
早く書きたいなと思いながら
今週末に姪の結婚式をひかえて
この土日はその準備や友達との約束も重なり、
父の代理で母のお寺さんへ行ったり、
スマが帰ってきたり、あっという間。
気がつけば今日で旅行から一週間、
少しずつ細切れにアップしていこうと思っています。

旅の行き先は福岡の博多。
父のエアコンは壊れるし
豪雨の被害の最中、
これは行くなということかなぁと、
寅さんと思案したのですが
実はこの旅の一番の目的はあるコンサート、
ずっと寅さんが楽しみにして、チケットも取ってあったので
コンサートが開催されるのであれば行ってみようと結論を出しました。

昨年の銀婚式を記念して行きたいねと言っていた旅もまだ保留中、
それぞれで出かける旅行はあったものの
寅さんとの二人旅は5年近く行っていなかったので
久々の二人そろっての旅、それなりに思い出深いものになりました。
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羽田はその日の猛暑を約束するような快晴、
暑さにはめっぽう弱い父はクーラー無しで留守番
旅に浮き立つ気持ちと気がかり、
今回の旅のお天気のように、私の気持ちも降ったり晴れたり。
でもやはり行ってよかったの旅になりました。
by sarakosara | 2012-07-23 05:31 | | Comments(0)

フルフラット

北九州での豪雨が続き、大変な被害がでていて
これからの雨雲の動きがほんとうに心配です。
もうこれ以上の雨はどうぞ降りませんようにと祈るばかり。
一方こちらはザッと降ったかと思うと、カラッと晴れたり
とにかく暑い。

そんな中、今日父のエアコンが機能していないことに気づきました。
いつでも使えるように掃除をしたのは先月だったけれど、
ここのところ、暑い日が続いていたから
温度設定とか調子を整えておこうと、
今日しばらくつけてみたけれど、さっぱり涼しくならない。
あれ?おかしいなぁ、温度設定高過ぎか?
少し下げてみるけれど、これまたさっぱり。
エアコンからの送風はあるので、すっかりその気になっていたけれど
すぐ近くに手をかざしてみると、これがぜんぜん冷たい風じゃない。

おかしいぞと、外に出て室外機をみてみると
うんともすんともいっていないじゃないか!
わぁ、壊れてる??

ちゃんと上手にエアコンも使わなくちゃだめよと
毎年口をすっぱくして言っているから
父もそこらへんは了解している。
「夜は寝る前に少しだけつけてから寝てるんだ」
そう言う父の言葉をきいて、安心していた。
あちゃ、父はただの送風をしていただけだった。
正直言って、暑いも寒いも感覚が鈍っている。

修理も考えたけれど、
使い始めて22年目のエアコン、もう寿命かもとあきらめた。
というより、この気温、また壊れたら大変。
一日も早く父がエアコンを使えるようにしなくちゃと焦った。

すぐに、寅さんと馴染みの電気屋さんに車を走らせ
父に適当と思われるものを選んできたけれど、
取り付けは木曜日になるとのこと、
それまであまり暑い日がないようにと願う。

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梅シロップの炭酸割り。
蒸し蒸し暑くて、気分ももわっと鬱陶しい時
しゅわっと、しゃきっと、気分が爽やかになります。

さて、よりによって、こんなさ中、寅さんとあさって旅行に行ってきます。
父のことや留守はミコに頼むことにして
寅さんと二人だけの旅は4年ぶり。
一泊なので、すぐに戻りますが
来週は帰宅後も用事が立て込んでいて
ブログでの報告は少し遅れると思います。

こんな天候です。
みなさんも体調に気をつけてくださいね。
by sarakosara | 2012-07-14 23:34 | 日々

縁日

昨日は浅草寺の四万六千日。
そして、ほおずき市。
この日にお参りすれば、四万六千日お参りしたことになるらしい。
梅雨明けかと思われるような快晴だったし
平日でなければ足せない用事もかねてからあったので、
午後三時で仕事をあがらせてもらって浅草まで。

やっぱり浅草はいいなあ。
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仲見世を本堂のほうまで進むと
カラカラン、カラカラン、江戸風鈴の涼やかな音が
あちこちからきこえてくる。
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まずは、四万六千日のご利益を願って観音様に手を合わせてから
たくさん並ぶ露店をめぐる。
ひと鉢2500円。
縁日も二日目の夕方なので、
「ほら、こんな立派な鉢、2000円にしちゃうよ」
そんな声が飛びかっている。
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和服姿のきれいなおねえさん。
ほおずきの合い間からみえる笑顔が涼やかだ。
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このあと、モデルさんになってくださって、
おじさんや、おにいさんもいっぱい集まってきた。
私も一枚写させていただく。

暑いのは苦手だし、
父の体調も気になる季節だけれど、
お祭や縁日は夏がよく似合う。
夏ならでのこんな雰囲気は大好きだ。
母が毎年通っていた四万六千日。
きっとこんな賑わいを求めて毎年通ってきたのだろう。
私はこれで二回目。
母との縁日でもある。

ひやかしてばかりじゃ申し訳ないってことで
ほおずきが四つ入って500円の小さなかごを買ってきた。

夕方になっても、夏の日はまだ明るい。

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by sarakosara | 2012-07-11 07:29 | 好きなこと | Comments(14)

迷い道

6月の日曜日、ミコとアメ横に行った。
小学校の水泳指導の時間に着る水着を安く買いたいというので
職場の友達に教えてもらったのが、アメ横。
私もひさびさにお店を物色してみたくて、一緒に行く。
いつもJRの線路から見えるけれど、一度も行ったことのなかった
摩利支天という徳大寺にも立ち寄ってみた。
摩利支天。
気力、体力、財力、力の神さまらしい。
活気のあるアメ横で、慕われてきた神さまなのだろうか。
ミコと二人で手を合わせてきた。

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今日はミコの教員採用試験初日。
昨年は二次試験で落ちてしまった苦い思いがある。
アメリカから帰ってすぐの試験、迷いもふっきれず
そんな気持ちを反映しての結果かもしれない。

それから臨時採用で約一年。
色んなことのあったミコの一学期がもうじき終わろうとしている。
懇談会も終えて、今は成績つけに追われる日々。
今年は正規の教員になれるのだろうか。
今も時々迷うミコがいる。
毎日ぐったり疲れて帰ってくる日々。
帰るなり、ソファーに横になり、なかなか起き上がることができない日もある。
身体は大丈夫だろうか、何度心配したことか。
それでも、翌朝になるとしっかり朝ご飯を食べてでかけていく。

色んな子どもがいる。
親からの虐待であざを作って登校、ミコに抱かれて泣きじゃくる子。
プールの時も、ミコがずっと抱いていないと不安でしかたないらしい。
教室脱走常習犯も約二名。
校外まで走っていってしまいそうな勢いなので
目が離せないという。
ほんとうに、たまたまミコのクラスに色々問題を抱えた子が集まってしまったらしい。
もちろん学校も協力態勢はとっていてくれるが
ミコの気の休まる時がなかなかないようだ。
その子たちが、まとわりつくので、
他の子もミコに甘えることが増えたという。
私が甘すぎるのかな、ずいぶん厳しくしているつもりなのだけど。と、ミコ。

事実、ミコが甘すぎるという指摘も、上の先生から受けている。
ミコとしては力づくでねじ伏せるようなことはしたくないという。
ミコ自身がもともと縛られることや型にはまったことが
どちらかとうと苦手な子だった。
みんなで同じことを同じようにできないとスムーズに事の運ばない体制、
子どもたちも先生もいつも忙しい。
立ち止まったり、考えたり、横道にそれてはいけない。
もともとそんなことの苦手な人間が、公立の学校の教師に向いているのか。
そもそも教師という職業に。
日々に追われる中で、ミコは時々思っている。
迷い、迷いの一学期だった。

そんな中迎えた試験。
きっと昨年とはまったく違う気持ちで迎えたのではないかと思う。

暑かった、アメ横のこの日、
ビールを一杯だけね、と意見が一致。
私がカメラを取り出したら、私も撮っておこうかなとミコ。

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まだ以前の学校の子から手紙が届く。
また先生のクラスがいいなと書いてくれる。

ミコが教師に向いているか、いないか、それはもちろんあるけれど、
私がひとつだけ、嬉しいと思うこと。
それは、ミコが受け持ちになった子で
学校に来たくないと言う子がいなかったことだ。

昨年の中途採用の時も
一学期に不登校気味だった男の子が、二学期から登校できるようになった。
お母さんから喜んで学校に行くようになりました、ありがとうと言われたらしい。
お母さんを早くになくし、情緒不安定ですぐに泣く女の子がいたが
ミコとお別れの時に、先生のクラスでよかったよ、
寂しいけれど、泣かないように元気で来るねと言ってくれた。
4年生になった今も元気で過ごしていると手紙をくれた。

今年の受け持ちの子たちも、
そんな落ち着かないクラス状況の中で一緒に不安定になる子がいないか
ミコも心配していたが、懇談会での保護者の方からは
おおむね楽しく元気で登校しているとの話が多く、
連絡帳でのクレームもなくて、ミコもほっと胸をなで下ろしている。
初めの一歩の一年生、
まずは、学校に行くのが嫌じゃないと子どもたちが思えること。

元気いっぱい、何でもできる子は問題ない。
そうではない子、
つい取りこぼされてしまうような子
小さな胸に痛みを抱える子、そんな子に寄り添えられたのなら
それでいいのではないかと思ってしまう。

もちろん仕事、甘いだけではやっていけない。
今年の試験を終えて、まずは結果をもらって
それから、ミコが何を思うか、歩いていくか、ミコの道だ。
はっきりとは言わないけれど
海外の恵まれない子どもたちのために働きたいという
そんな夢もまだ捨てきれたわけでないようだ。

迷いの24歳、私から思えば、若いじゃないか、
何でも挑戦したらいいと思ってしまうが
ミコにとっては微妙な年齢らしい。

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帰りがけに、
氷に乗って美味しそうな、西瓜、パイナップル、メロン、
どれも一切れ100円を発見。
とっても甘くて美味しかった。
ひといきついた6月の日曜日、ミコの忙しい日々は、まだ続く。
by sarakosara | 2012-07-08 16:12 | 家族のこと | Comments(10)

花かご 〜隠れ家〜

続きを楽しみにしていると言ってくださった方には
少し期待はずれな記事になるかもしれないけれど、
ずっと母校に抱いていた気持ちを一度書いておこうと思っていたので
花かごを書いたことを機に少しと思ったら
これが、どこからどう書いていいかと思うほど次々と思い出すことが。
私の場合、ブログはある意味自分の記録であると思っている部分もあるので
この際だから、思い出すまま書いてみようと思う。
たぶん、一度に書ききれないので
「花かご」という題名で何回かにわけて
普通の記事の合間に、気長に書いってみようと思っています。

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中学に上がる頃から、我が家の色々な事情が少しずつ変化してきた。
父が連帯保証人になって背負ってしまった借金のため
父の収入はすべて返済に消え、
代わりに母は家計を支えるために必死で働き始めた。
母の帰りは日に日に遅くなり、
折り合いの悪かった父と母方の祖母の間をとりもつのは私の役目、
それでも母に心配をかけてはいけないと、
無意識のうちに、頑張っていたのかもしれない。

中学二年生の時に私は生徒会長になった。
推薦立候補で、あれよあれよと成り行きに身を任せることになり
ひとつ上の先輩は
絵に描いたような生徒会長だったけれど
それにくらべて私はふわふわと頼りなく
実際辛辣なことを言う友達には、なんであなたが?と
そんなふうだと、後輩からだって馬鹿にされるよときつい言葉もかけられた。

よくも悪くも色々な人から注目される。
後輩や先輩、先生。
特段リーダーシップがあるわけでもなく、
本部役員の友達にはほんとうに援けてもらったけれど
本心はいっぱいいっぱいだった。
反面負けず嫌いの勝ち気もあって
母を安心させる意味でも
弱音は言うまいと、親にも学校での想いは話さなかった。
家でも気を張り、学校でも気を張り、なんだか心の休まる時がなかった。

そんな私は時々逃亡した。
屈託のない明るい顔をした私、友達とのにぎやかなおしゃべり、
生徒会をまとめる時の気負い。
そんなものからの、つかの間の現実逃避だったかもしれない、
隠れ家のような場所。
幼稚園舎から短大、修道院まである敷地には、幸いそんな場所がけっこうある。

例えばお聖堂の裏に広がる、私たちが森と呼んでいた雑木林。
そこを奥まで抜けると
景色が開け、大きな川と鉄橋が見える場所があった。

そしてたとえば旧校舎にある古い図書室。
薄暗い廊下には昼もまるい曇りガラスに包まれた電灯がついて
ガラガラと木の扉を引くと、本の匂いがした。
書棚と書棚の間に座り込んで
本に囲まれているとほっとした。

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そして、もうひとつ、
小中高共同の体育館と小学校校舎をつなぐ渡り廊下のつなぎ目に
階段があった。
その階段は、理科室、図工室、各階でそんな特別教室につながっていたけれど
上り詰めると、行き止まりに小さな踊り場があった。
昼休み、そこには誰も来ない。
小さな丸椅子がいくつか重ねて置いてあり
そこから外を見下ろすと校庭が広がっている。

昼休みに遊ぶ小学生や、部活の昼練でトラックを走る中高生、
こちらからはそれらが見えるのに、
誰もそこにいる私には気づかない。
誰にも見られずぼんやりできる場所。
用事のない昼休みなると、よく飛んで走っていった。
しかしそんなことの続いたある日、
仲良しの一人から、昼休みなるといなくなることを訝しがられ、とうとう白状。
この子なら、そんな私の行動を理解してもらえると思ったから
こっそりその秘密の隠れがを教え、
その日から彼女も一緒に行くことになった。
彼女も少し風変わりな子で、私のそんな奇行を理解してくれることはわかっていた。
二人で外を眺めながら、色々な話をしたと思う。

色んなことがいっきに押し寄せてきた多感な中学時代、
私がいちばん神さまのことを真剣に考えた頃でもあった。
中学一年の時の担任で
生徒会の顧問だったひとりのシスターとの出逢いが
この頃の私に少なからず影響を与え
気持ちのよりどころのひとつになった。
by sarakosara | 2012-07-08 15:59 | 思い出小箱