秋の気配

9月。
カレンダーに合わせたように
関東は少し冷たい、乾いた風が吹いている。
気がつけば、朝陽の差す位置も変わってきている。
夕暮れも早くなった。

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先日我が家の建築を頼んだ住宅メーカーから
吊り戸棚の固定確認のお知らせという文書が届いた。
なんでも、施工建物で吊り戸棚の不具合があったとのこと。
全てのお客様宅で確認作業をすることになったという。

わぁ、面倒くさいな‥
と思ったものの、地震も心配な昨今、
タダで点検して補強もしてくれるというのを断ることもない。

とはいえ、とはいえである。
我が家は夫の両親、私の父と三世帯住宅だったので
締めて9箇所もの吊り戸棚があることになる。
点検の日は中身はいったん出さなければならないらしく
父のところも、寅さんの両親のところも
まだ片付けていない食器など入ったまま。
週末に少しずつ片付けるとして
点検は10月末にしてもらった。

昨日手をつけた吊り戸棚には
各種書類の他に手紙の入った大きめの菓子の缶が三つほど。

今回は食器類も思い切って処分していくつもりなので
手紙も同様、思い切ってと思っているけれど
何も見ずにバッサリと捨てることはできず
確認しながら、古いものを中心に
3分の2ほどを減らすことができた。
中には名前を見ても、さっぱり思い出すことができない人がいた。
内容を読んでも思い出さない、ナンジャラホイ。

残った三分の一はやはり封書が多いけれど
ちょっとした一言が残る葉書もある。

いずれは全て処分するつもりだが
時間ができたら一通ずつ読み返し、それからと思っている。

中に一通、葬儀のお礼の手紙があった。
印刷されたもので、この類のものをずっと取ってあることはないのだけれど
捨てられずにとってあったらしい。
夕焼けの好きな人、そんな秋の日に逝ってしまった。

その友人が好きだと言った歌
オフコースの「秋の気配」
どんな思い出があったのか、きかずじまいだったけれど
この歌を聴くと彼女のことを思い出し
秋が来たんだなぁと思う。


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母がいた頃、秋が来ると淋しいと言っていた。
母は今の私より若くしてなくなったから
一概に年齢でそう感じたのではないだろう。

私は秋が好きだから、淋しいとは思わない。
けれど、やはり秋の風が吹くと、どこか人恋しくなる。








# by sarakosara | 2017-09-03 18:08 | 日々

秋田の伯母

秋田の雄物川の二度にわたる氾濫で
開催が危ぶまれていた大曲の花火大会が
当日朝方まで徹夜で行われた懸命の河川敷の復旧作業で
無事に開催に至ったという。
お借りした画像だが、ほんとうに美しい。

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今年の春、秋田に住んでいた伯母が他界した。
父の兄と結婚した伯母は元々は関東の人だった。
横須賀生まれのお嬢様で
学徒出陣していた伯父が寄宿先になっていた伯母の家で
出逢ったという。
ロマンスだなぁ。

伯父と結婚後は、生まれ故郷を離れ
三人の子供を育てながら岡山に数年
その後は伯父のふるさと札幌に長年住み
伯父が亡くなった後は、息子の住む秋田に移り。
年の暮れには、よく「きりたんぽ鍋」のセットなど送ってくれたものだ。

ミコが生まれた時には
伯母手作りの木目込みの
愛らしい日本人形を贈ってくださった。

遠くに住んでいたので
私にはさほど近しい伯母ではなかったけれど
夏休みに何度か出かけ、お世話になった時など
子供心に、伯母の周りだけ
ゆっくりとした空気が漂っているような
浮世離れしたところのある、品のいい人だなぁという印象があった。

ここには書けない家族の色々もあった。
それだけに、その心の奥底には
計り知れない
到底私には覗くことのできない深いものがあるようにも思えた。

もう少し近くで話す機会も多ければ
伯母の心情に少しは寄り添えたかもしれないし
教わることも多い人だったと思う。


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こちらは地元の花火。

先日伯母の葬儀のお返しの品が届いた。
自分でセレクトする形式のもので
何にしようか迷っていたのでこんな時期になってしまったけれど
笹の葉が清々しく描かれた大皿を選んだ。

みんなで囲む食卓に上れば
伯母を思い出すこともあるだろうし
時々は思い出話を子どもたちにしてもいいし。




# by sarakosara | 2017-08-28 06:23 | 想う

サボテンの花

サボテンの花が咲きました。
ミコが小学生のときに買ってきてくれたもの。
最初は手のひらにすっぽり収まるほどの小さな鉢に植えられ
色とりどりの砂が敷いてあって可愛らしかった。
カーネーションが定番だろう母の日に
トゲトゲのサボテン、ふた鉢。
けっこう斬新なプレゼントでした。

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でも、小さかったミコが
一生懸命選んでくれて
うれしそうに渡してくれたのだろうその頃を思うと
愛おしくて思わず笑みが。

だんだん大きくなって植え替えたりしたものの
一度も花をつけることはなかった。
それが20年近くたった今年
初めて花が咲いたのです。

たまにしか水もあげない窓辺で
小さな花は二日ほどでしぼんでしまうところ
幸運にも見つけることができた。

トゲトゲのてっぺんに咲いた小さな可憐な花。
嬉しくて、すぐに写真を撮りミコに送りました。
今頃になって、咲いてくれたよと。

思い返せば10年以上前
思春期の女の子たちは
みんなと一緒が好き
つるんで同じことをして盛り上がることの好き
そんな世界では
ちょっと生きにくいこともあったミコ。

私と違う個性に
私自身、母として戸惑うことも多かったし
実際ぶつかることもあった高校時代。
愛おしい気持ちと、持て余す気持ちが正直あったし
私のトゲにミコが傷ついたこともあったろう。

でも気づかれないほど小さなサボテンの花のように
人の気づかない傷みを感じることもできる子だと思ってきた。

そんなミコの良さに気づいてくれる人がいればいいなと思い続け
きっといると信じ、
そしてめぐり逢った人。
2月から一緒に住み始めてはいたけれど
8月17日無事その人の元へと入籍を済ませました。


先日はウェディングドレスの試着に。
お式は和装で神前式がいいと
今流行りのチャペルでの式も、可愛い花冠もいらないと言う。

なのでお色直しで着るドレスにはベールはない。
試着のこの日限りのベール姿。
こちらのドレスも試着のみ。


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別のシンプルなミコ好みの一着があって
係のお嬢さんに、こんなに早く決まる方は少ないんですよ
ご自分の好きなものがはっきりわかっているのですね
素敵なことですね、そんなことを言ってもらいました。
結婚式は来年の二月です。


15日までだったお盆休み
お墓まいり以外はどこも出かけずだったけれど
前半はミコが泊まりにきて
一緒に私たち両親からのプレゼントを買いに行きました。

昔だったらタンスやドレッサー
それに着物なんかを用意して持たせたのだろうけれど
一人暮らし同士だったから色々あるし
だから何も要らないと。
それで選んだのが、真珠のネッックレスとイヤリング。

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いくつかの中から好きなメッッセージプレートを入れられますよと言われ
三人でこの言葉を選びました。

お盆後半、ミコたちは彼の実家のある仙台へ。
その後、入籍を済ませ
京都にプチ新婚旅行、スマにも会ったようです。

二人の船出、身体に気をつけて、幸せにと祈ります。





# by sarakosara | 2017-08-21 22:33 | 家族のこと

京都で買いたかったもの

8月の今になって
冬の京都便りもどうかと思うのですが
あの時に、どうしても買いたかったものがあったので、
そのことだけ書いておこうと思います。

京都最終日はは朝から雨でした。
それを見越して前日に予定を詰めていたので
朝はゆっくり起き
散歩がてら朝昼兼用の食事をとって
そのまま残りの予定に向かうことに。

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出かけるときはさほどでもなかった雨が
だんだん強くなり、街中に着く頃はけっこう降ってきた。
しかし歩け、歩け。

スマが見つけてくれた河原町のcinq cafeというお店でランチ。
町屋をリノベーションしたという、居心地の良いカフェで
ランチも三人それぞれ違うものを頼み、ちょっとずつ交換。

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さて、ここから
私が今回行ってみたかった「裏具」という
オリジナル文具を扱うお店に向かう。

再び鴨川を渡って宮川町というところ。
雨だけど歩きで大丈夫?とスマ
靴の中に雨が染み込んできて正直少し気が滅入っていたけれど
地下鉄やバスを使うにも中途半端な場所
せっかくの京都だもの、歩くよ〜

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表通りから細い路地を入る
ひっそりとした町屋が続き
ここのどこにそんな店があるのか
うっかりしたら見落としそうな場所
小さな看板の小路をさらに奥に入った、こじんまりと小さなお店だった。


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そして買いたかったのは、これ。
吉帖という、暦仕立ての手帳。
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開くと、蛇腹折りのお経本みたいな体裁で、
一年366日(閏年の日数も含む)の誕生花、誕生色が載っている。
一年で使い切る日記帳ではなく
ここに大切な記念日や、家族、友人の誕生日など
心に留めておきたいことなどを
事あるごとに記していくもの。
これからずっと使い続けるつもり。

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この吉帖、いつも密かに読ませていただいている
言葉を交わしたこともないブロガーさんが紹介されていて
いつか京都に行ったらお店に寄ってみようと思っていたもの。
手頃な値段でもなく、手にとってしばらく迷ったけれど
一生ものと思えば、高い買い物じゃないなと思い切って買ってきました。

私の念願は叶ったので
そこから寅さん、スマの行ってみたいという
三十三間堂にまわり
スマの部屋に戻ったのはそろそろ暗くなる頃。

雨は少しもやむ気配がなく
三人とも足元がびしょ濡れ。
ゆっくりできるように新幹線は遅めをとっていたので
スマの部屋で一息ついてから
夕飯は一緒に近所の店「料理処はな」まで。

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雨粒が光るその向こうは川端通り
車のテールライトの赤が映り込む
その向こうは鴨川、そのまた向こうの町の灯りも滲んで見える。

心と手をかけた料理を楽しみながら
今までのこと、これからのこと、ゆっくり話すことができた。


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スマにとっては再びの学生生活、
私たちが思う以上にハードな日々であったようだが
残すところ、あと半年と少し。

5月の病気のことも研究室の皆心配してくれて
帰ってくるのを心待ちにしてくれていた。
スマなりに築いた場所なのだろうけれど、ありがたいことだなと思う。
夏休みもなく研究の追い込みに入っている。

子どものことは幾つになっても
たとえ大人になっても心配なものだ。
もちろん信頼し、本人に任せればと思っている。
思ってはいるけれど、
いざ助けを求められれば、放ってはおけない。

ひとつ心配し、ひとつほっとし。
そんな繰り返し。

いつしか立場は逆転していくのだろうけれど
それでも親はいくつになっても子を案じていると思う。


体調快復して、6月、7月は就活に忙しかったスマ。
ありがたいことに希望していた学校に採用が内定した。
内定の知らせをいただいた日も吉帳に記した。

来年は学生生活を卒業
新しい職場で、化学科の先生だ。
またひとつ、ほっとしている。




# by sarakosara | 2017-08-03 22:42 |

今年のバラ、二番花の頃

今年の5月はスマの病気などバタバタして
我が家のバラのお話はしないまま過ぎてしまいました。
今ちょうどアブラカダブラの二番花が咲いています。

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これは五月の花。
今年はブログのお友達に教えてもらった本も買って
一からバラそだての勉強してみようかなと
今まで見よう見まねで育ててみたけれど
そろそろ基本をと思ったりしています。

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それでも、まだアバウトで、自分なりもしてしまう。
でもきれいに咲いてくれたら
ありがとう、きれいだねと声をかけることも
自分らしい花を咲かせる一つの方法かもと思ったりしながら。
そして、一生懸命生えてきた雑草を、
やっきになって抜いている自分にも苦笑いしながら。

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そもそも私は観葉植物を育てるのが得意で
我が家にはスマと同じ歳のドラセナを始め
緑の観葉植物がすくすくと育っています。
水をやりすぎず、しかし水を欲しがっている時を逃さない。

一方花々を育てるのはあまり得手ではなく
バラも憧れながら敬遠していました。
ところが、ブログで親しくなった友人に何人か
バラ育ての名人がいて、
思いきって買ってみたのが、アブラカダブラ。
時を同じくしてミコがアルバイト先からもらってきたオレンジのミニバラも仲間入り。

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そして新顔がピエールドロンサール。
小さな苗を地植えして無事根付いてくれたものの
その後どうやって誘引したらいいのか
手探りで昨年買ったアーチに絡み付けてみたら
今年の春、いっぱいに咲いてくれました。

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ピエールにしては、少し芯の色が淡いけれど
これも我が家の持ち味ってことで。

通りかかる人がスマホで撮っていたり
ご近所さんにも大好評で
通るたびに楽しませてもらっているわよ〜と、お褒めに預かり
「でも、さらこさんの家からは見えないよね?」
って、はい、我が家は3階なので、確かに。
でもね、こうして見て褒めてもらい、喜んでもらえることが
自己満足だろうけれど、喜びになると知りました。

小学生の女の子が三人くらい
「わぁお〜美しいわ〜」
なんて、はしゃぎながら通る声を3階からきいた時も
私もほっこり、にんまり。
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そういえば、昨年泣く泣く切ってしまった紫陽花も
よく通りがかりの方に褒めってもらったもの。
ピエールの隣に、今も紫陽花の場所はとってあるのだけれど
植えようか、植えまいか
それとも違う花にしようか、まだ迷っています。

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これも、お友達にいただいたバラ仕事用のグローブ。
ピエールの誘引に大いに役立ちました。
新しい枝もまた元気に伸びているところ
来年はどんなふうに咲いてくれのでしょう。




# by sarakosara | 2017-07-22 16:31 | 好きなこと

夕涼み

連日猛暑が続く。
そんな中、元気なのは雑草たち。
ゴールデンウィークに必死に抜いた草たちが
また息を吹き返し、モリモリと茂りだした。

この暑さ、見て見ぬ振りをしたいところだが
お隣との境の細い地面と裏のわずかな敷地に生えた草をほおっておくと
お隣のおばあちゃまが、炎天下もかまわず
草取りを始めてしまうことがある。

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ある夏の日、仕事から帰ると、雑草がすっかりきれいになっていて
慌てたことがある。
農家育ちだから、ちっとも苦にならないよと笑っている。
とにかく働き者。
しかし、もう90歳を超えた今は真夏の炎天下、怖い怖い。
それ以来、見て見ぬ振りはできなくなった。

そろそろタイムリミット。
今日の午前中えいやっと思い切り
長袖シャツ、首にタオル、帽子、虫除けでいざ草取り。
すぐまた生えてくるから、根こそぎと力が入る。

30分もしないうちに玉の汗。
顔もぽっぽと火照ってくる。
外で働く方々の苦労が身にしみてわかる。
豪雨災害の後片付けも猛暑の中と聞く
元気な大人でも体調を崩しかねない暑さだ。
高齢の方々には、どんなに堪えることだろう。

父は北国育ちのせいか
冬の寒さは少しも苦にならないのに
夏の暑さには、めっぽう弱かった。
そのくせクーラーの冷えは嫌いで
夏がくると、体調管理に頭を痛めたものだ。
猛暑の夏がくるたび、父がいないことに少しほっとしてしまう。


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去年ほおずき市で買った江戸風鈴が壊れ
またあのチリチリン、カラカランという音色が恋しくて
出先で見つけたものを買ってきた。

夕涼みという言葉もなくなりそうなほど
夕方も熱い風が吹いている。
それでも暮れのこる夏の夕空に
透明なガラスの水色が溶けていく時間はいいものだ。




# by sarakosara | 2017-07-16 18:28 | 日々