メンバーは、神奈川、千葉、埼玉からのブログ仲間。
集まったのは、東京の真ん中。
10月下旬の暖かさと、秋晴れのような晴天のもと
少し遠方からいらっしゃるチェイルさんは、
次の目的地で合流ということで、
まず shinn-lilyさんと私は新宿で待ち合わせ。
何年ぶりだろう、軽快なお散歩スタイル、変わらぬ笑顔で待っていてくださった。
この日のスケジュールは、私のリクエストに合わせて
lilyさんが予定を組んでくださり
まずは都バスで牛込弁天町で下車。
この界隈はlilyさんが、小学6年までの時を過ごした町。
路地を入ると、静かな住宅街で、
よそのお宅の壁に沿って咲く花の名を調べたりしながら
近くにある、新宿区立の漱石山房までぶらぶら。
漱石山房とは、漱石が明治40年から、大正5年の亡くなるまでの9年間を過ごした家のこと。
今はきれいな記念館になっており、当時の様子が再現されている。
たくさんの蔵書に囲まれた漱石の書斎。
書斎を回り込む回廊には、漱石先生が座っておられ、
ツーショットなども撮れるのです。
大正時代の本の装丁が、美しいな、好きだなと思いながら閲覧。
さて、そろそろチェイルさんとの待ち合わせ時間。
近所にあるshinn-liliyさんの産土神様に手を合わせてから
穴八幡宮に向かう。
馬場下町交差点の一角にある穴八幡宮。
こちらでは、一陽来復のお札がいただける。
一陽来復とは冬至に、陰極まって陽に転じる、冬が終わって春が来るなどの意味から
良くないことが続いた後に、良いことが巡ってくるという意味の言葉。
一陽来復のお札は、その年の恵方に向けて、冬至、大晦日、節分のいずれかにまつると、運が開けるといわれている。
母は、私が中学生の頃からだったか、
この一陽来復のお札を、穴八幡宮からいただいてくるようになった。
毎年大晦日の深夜に父と一緒に、ああだこうだと言いながら、お札を貼っていた。
浅草寺の四万六千日といい、よくよくこういうことの好きな母だったと思うが、
今思えば、当時父が背負ってしまった負債を返済すべく
身を粉にして働き続けていた母。
小さな希望をこめてここに来ていたようにも思える。
母が亡くなった時、私は二十歳そこそこだった。それ以来、一陽来復のお札をいただきにくることもなければ、
穴八幡宮に参ることもなかった。
でもそれから40数年の時が流れ、
ブログで出逢った、liliyさんもこちらの地にご縁があることを知り、
何か導かれるものを感じて、
今回穴八幡宮にご一緒したいとお願いしていた。
私には、初めての穴八幡宮。
母も、この階段を何を考えて上ったのだろう。
でもこうして時の流れを超えて、母を想いながら
ここに来ることができて、なんだか気持ちがすっきりした。
そして、この階段を、チェイルさんが
息を切らせて上がってこられた。
ブログそのままの飾らない笑顔、
初対面なのに、ほっこりしてしまう。
さぁ、ここで三人合流。
これから、liliyさんが少女だった頃に
冒険に出かけたという、箱根山へ。
雲ひとつない穏やかな晴天。
「こっちで良かったかしら」
lilyさんも久しぶりという、東京の箱根山。
そもそも一体何で箱根山なのか。
元々は、この地には尾張藩の広大な下屋敷があったとのこと
そして、なぜこの小山がそう呼ばれるようになったか、
lilyさんが道々教えてくださった。
小山といえど、山手線の内側では最高峰を誇る標高44.6メートル。
新宿区役所 戸山公園サービスセンターに行けば、登頂証明もいただけるそうな。
ずっと歩いてきたので、
頂上の真ん中にあるベンチに腰掛けて、ひと休み。
青い空、心地よい風、眩しいお日さま。
木々に囲まれ、他に訪ねてくる人もまばらで、何とも気持ちがいい。
そんな山頂で風に吹かれながら、三人でひとしきりおしゃべり。
登った方とは、反対側へ下山すると、登山口があった。
ここから、戸山ハイツを右に見ながら、新大久保方面へ歩く。
穏やかな日差しと空気。
なんて、心落ち着く場所なんだろう。
大きなマロニエの木。
三人とも、空を見上げたり、木々をみながら、
自分の歩幅で、ゆっくり歩く。
パリの森を歩いているみたいと笑った。
楽しい思い出のひとこまにしたくて、
すぐにこんな写真が撮りたくなる。
どの影が誰かは、ないしょ。
みんな落ち葉模様の服をまとって、ひととき少女に戻ったような、
そんな場所だった。
と、そこに突然一陣の風が吹き、欅の葉がザッーっといっせいに舞い散り、
それはみごとな一瞬で、思わず歓声があがる。
そして森の出口が見えてきた。
さぁ、御伽の時間はおしまい。
美味しいお昼にいたしましょう。
ここからほど近い新大久保へ歩く。
この静かな森と、若者で活気溢れる新大久保や新宿が
こんなに近いことにも驚く。
最近オープンしたばかりらしい
一本路地を入ったところにあった、行き当たりばったりで見つけたお店。
チェイルさんと私は、ソルロンタン。
lilyさんは、お店の看板商品、カムジャタン?
お店の中は、お客さんからも韓国語が聞こえてきて、
美味しい料理を口へ運びながら、
まるで韓国へ来たみたいねと話した。
韓国料理は、辛いと思われがちだが、
どれも身体に優しいように感じて、変にもたれたりしない。
食後のお茶は、場所を移動して、
これもまた行き当たりばったりで入ったカフェ。
お昼が、もたれないから、
お決まりのスイーツもお腹に入ります。
チェイルさんにご馳走になった、モンブラン。
三人でシェア。
この後、lilyさんからご馳走になった
メープルシロップたっぷりのフレンチトーストもいただきました。
お昼はもたれないので、入ります(笑)
ここで、ゆっくりとおしゃべりタイム。
チェイルさんは、2006年から、lilyさんと私は2007年からブログを書き始めている。
20年近くといえば、人生の何分の一かの時の流れ。
この間に、ブログを書いていなければ知り得なかった方達と出逢い、
知り得なかったことを知ったことは、宝だと思っている。
初めてブログで出逢った頃は、そこまで深く知らなかったことも、
こうして互いの文章から、ご縁が深まっていく。
よく歩き、よく食べ、よく話した一日。
人生色々あるし、世の中も大変な今だけれど、
だからこそ、会える時に会いたい人に会って、
行けるときに行きたいところに行きましょうね、と
人生の少し先を歩く素敵な先輩の言葉に、
大きくうなづく私でした。
そして、また会いましょうと、振り出しの新宿に戻り、
三人それぞれの帰途に。
lilyさん、チェイルさん、楽しい一日をありがとうございました。