人気ブログランキング |

夢の跡

空港で待っていてくれた従姉妹のセイちゃんと会うのは
なんと子どもの頃以来なので、50年近く会っていなかったことになる。

f0231393_16250865.jpg


それでも便利な時代になったもので、携帯で電話しながら
今ついたよ、どこにいるの?
どこで出た?
お互いに話しながら無事に再会。

街中に暮らすシングルのセイちゃんは、
車もカーシェアを使っているらしい。
ゆったりしたワゴン車で、ぐいぐい飛ばす。

まずは北広島にある、叔父叔母のお墓に向かうが、
その前に家の跡地に寄ってみようかという。
4年前に叔母が、その二週間後に叔父が亡くなった。

叔母は、生前、父さんより一日でもいいから早く逝きたいと話していたから
その願いが叶ったのだと、セイちゃんはいう。
それにしても、二週間違いって。
二人でずっと一緒に苦労して酪農をしてきた夫婦だなと思わずにはいられない。

叔父は8人兄弟の5番目だったと思う。
どちらかというとお堅い官吏の父親
その家族の中で、小さな頃から他の兄弟の中では異色な存在であり
父の話では、どこに行ったと探すと、近所の牛のお腹の下で寝転がっていたと。
それほど動物が好きで、ずっと酪農家になりたいと思っていた叔父。

祖父もその熱い思いに根負けして
何町歩かの土地を買い、叔父の支援をしたらしい。

しかし札幌郊外の傾斜地、酪農に適していたのかどうか。
なかなか順調にはいかなかったようで
一年中休みのない仕事、叔母と二人でそれはそれは苦労の連続
いくら好きで始めたことでも、それぞれが体を壊したりでとうとう廃業。
5人の子供たちにも、それを継ぐことを求めなかったのだ。

f0231393_16312946.jpg


子どもの頃、遊びに行くと
たくさんの牛の他に馬もいたと記憶があって
セイちゃんに、馬もいたよね?と訊ねたら
あれは、労力としての馬だったのよと話してくれた。
その後機械化が進み、馬はいなくなったという。

札幌の祖父母のところにも
よく叔父が一升瓶に入れた搾りたての牛乳を持ってきてくれたけれど
小さな頃、牛乳が苦手だった私には、ありがたいけれど、難儀なものでもあった。
しかし街で暮らす私には、牧場をしている叔父というのが
逞しく、誇らしくも思えた記憶がある。

でも、現実はそんなに甘いものではなかった。
祖父なき後は、私の父も色々力になり支援もしてきたけれど
結局立て直すことはできなかった。
セイちゃんは、伯父さんにはほんとうにお世話になったの。
なんもお礼ができないままだったから、こうしてご案内するくらいおやすいご用なのと話してくれた。

叔父叔母亡き後、そこに住む人もなく
とうとう家も納屋も壊したという。
納屋だけで、50坪のものが二つ。
片付けも一苦労だったらしい。

f0231393_16321107.jpg


ここよ、と車を止めたそこは鬱蒼とした草いきれ。
8年前に父と訪れた時の家は跡形もなく、夢の跡。

と、セイちゃんは、のしのしと、
その背丈ほどもある草の中に入って行った。











# by sarakosara | 2019-09-16 16:44 |

旅を終えて

北海道旅行からもう一週間。
実は先週の今日帰ってくるはずだったのですが
台風で予定の飛行機が欠航、千歳にひと晩延泊になりました。

8日朝の札幌の空は、秋の気配。
夕方の飛行機が欠航になることはまだ知らず。

f0231393_16230914.jpg


それを知ったのは、大通りを歩いていた正午過ぎ。
慌てて航空会社に連絡するも、連絡つかず
空港カウンターでなければ手配ができないことを知って
千歳に行き、カウンター待ちをして話を聞くと
航空会社手配の振替便を待つ場合
翌々日の夜の便、さらにそれも遅れるかもしれずとのこと。

二泊も三泊も、とてもこれ以上仕事は休めないと、
自力でなんとかせねばならなくなり
寅さんと二人、あれこれ知恵を絞って
やっと月曜日の夜に帰宅できました。

しかし、ほんとうにひどい風だったらしく、
幸か不幸かその風の凄まじさは
北海道に足止めされたため、知らずに済んだのですが
電気や水道の復旧にまだかかっているところもあり
さぞ怖い台風だったろうと思います。

f0231393_16240915.jpg


旅行初日は、祖父の命日だったと書きましたが
もう一つ、北海道胆振東部地震からちょうど一年目の日でもあったのです。

案内してくれた従姉妹のお孫さんが生まれたのが
まさにその時だったとのこと。
ブラックアウトした時に、娘さんはお産で病院だったと。
一歳を迎えたばかりの可愛い孫のMちゃんも交えての昼食どき
その時の話もしてくれたばかりでした。

電気に頼り切る今の生活。
もしかしたら、これからこんな災害は頻発するようになるかもしれない。
それこそ一人一人が知恵を絞って
自衛を考えていかなくてはならないのだろうと思います。

留守中、一応台風が来ることを考えて
ベランダの飛びそうなものはしまい
戸締りもしっかりして行ったけれど、
車の横に置いたままの自転車を思い出し
慌てて近所の友達に連絡して、
風の当たりにくい場所に移動してもらいました。

どうなっていることやらと心配して帰宅。
幸い大きな被害はなく済んだものの
バラのアーチが、外れて危うい状態。
バラがしっかり絡んでいなければ、倒れて飛んでいたかもしれない。
何事もなくてよかったと、胸をなでおろしました。

今日はそんな庭の修復作業を寅さんと二人で終え
それから航空券の払い戻しや
旅行保険の請求手続きもやっとすべて終わって
日常が戻ってきました。

f0231393_16243588.jpg

積丹の海。
北海道はやっぱり大きかった。

色々な意味でまた記憶に残る旅になった。
そんな顛末を少しずつアップしていきます。



# by sarakosara | 2019-09-15 17:14 |

8年ぶりの札幌

明日から二泊三日の札幌。

私は父との旅から8年ぶり、
寅さんは、父と子供達との旅から実に20年ぶりの札幌です。

f0231393_22313926.jpg

今回は叔父のお墓参りと、祖父母のお墓参りを兼ねての旅。
それぞれ別々の場所にあり、
従姉妹が車で廻ってくれることになりました。

この従姉妹と会うのも、30年ぶり。
待ち合わせは、わかるだろうか。
幼顔を思い浮かべながら、待ち合わせ場所に行ってみます。

今回の日程は寅さんと、私の都合をすり合わせて決めたもの
ところが、ここに図らずも偶然の巡り合わせがあった。


この夏、ミコ夫婦が泊まるために一階の父の部屋を片付けながら
ふっと引いた引き出しに薄い手帳がありました。
パラパラめくると、母、両家の祖父母、そのほか親類の
命日と戒名の書かれたページがありました。
ずっと朧に記憶しながら、はっきりと思い出すことのできなかった札幌の祖父母の命日。

それが、今回の旅の初日
祖父母のお墓参りをしようと決めた日が
偶然にも、祖父の祥月命日だったのです。

祖父が呼んだのか
それとも父がいざなったのか。

いずれにせよ、
そんな日に決めたことが、どこか嬉しかった。


f0231393_22451356.jpg


どんな旅になるのか。
従姉妹とも、懐かしい話ができそうで、楽しみです。

現地のお天気もいまひとつだし
帰ってくる日は、関東にも台風が近づく予報で少し心配ですが
無事に帰ってきたら、ぼちぼちゆっくり書いていこうと思います。


# by sarakosara | 2019-09-05 22:46 |

遠きにありて思ふもの
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30