迷い道

例年12月で一旦契約が切れる仕事。
それがつい先日、一年通しでの契約に変えられるという話になり
冬場は市役所の仕事に行っていたけれど
今の職場で一年通しになれば
有休も翌年に持ち越せるし、色々楽になるということで
年明けは、冬場も今の職場で仕事をすることにした。

それはとてもありがたいことなのだけれど。

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ここ最近、同じような夢をよく見る。
道に迷って、目的地にどうしても、辿り着けない夢。
そして決まって車の運転をしている。
すぐそこに行き先が見えているのに
道が行き止まりだったり、一方通行だったり。

つい数日前も、家に帰る一本道が
壁のように垂直にそそり立っていた。
登ってすぐのところに踏み切りもあるらしく
白い車がそこで待っているのが見える。
踏み切りが開き次第、次の車が登れるらしい。
垂直だけどね。
え〜できるかな。難しそうだなぁ。

いやいや、現実世界にそんなものがあったらまずその時点で無理とわかる。
無理もなにも、ありえないし。
けれど、私の場合、夢の中で夢であることが認識できたことはなくて
あくまでも現実に起きていることなのだと必死になっているところが可笑しい。

迂回路もありと書かれていたので
諦めてそちらに回るが、
今度は家に帰るカーナビがどうしても入力できない。

寅さんに電話して、どうしたらいいか訊きたいのに
電話をしたら、叔母にかかった。
なんでやねん。
万事休す。

朝起きても、やれやれ疲れたぁとなる。



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真偽のほどはわからないけれど
夢占いで調べてみたら、道に迷う夢は
自分自身が進むべき進路や、目標を探して迷っているとあり
うん、当たらずといえども遠からず。
そんな気もしてくる。

還暦を迎えて仕事の契約も更新した。
65歳という新たな目標もできた。
新人さんも増えて、制服もできて
色々なことが新しくなったけれど
それなりに新しい体制にも慣れて、充実しているといえば、いえる。

でも、そんな職場環境とは反比例するように
いつまで、この仕事を続けられるかなと
自信を持てなくなっている。

細かい文字や検査データとの照合や
校正のような細やかな仕事。
一日数百人のデータをひたすら見続け
シャープペンでチェックを入れていく。
健診結果を間違えたら大変と集中すると
眼や頸は疲れるし、午後になると眠気はくるし。
夕方には根気がなくなるし。

65歳までの5年が
果てしなく遠い道のりに感じられてしまう。

秋の健診シーズンで忙しいせいかな。
一つの区切りの時を迎えて
子供達も独り立ちしたし、気が抜けたのだろうか。
フルタイム、週5の仕事が少し重い。
朝は気合を入れて職場に向かっている。







# by sarakosara | 2018-11-04 22:40 |

窓の灯り

金沢便り、一旦休憩。

今日は久しぶりにカラッと気持ちよい秋晴れ。
洗濯機を何度も回し、
秋冬物への衣類の入れ替えも済ませ
ふ〜スッキリした。

我が家の庭にも秋の色。

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街路樹のハナミズキの実も赤く熟して
鳥さんたち、喜んでいるね。
斜向かいの家の柿も
たわわに実っている。

渋柿を、奥さんが焼酎で上手に渋抜きして
毎年持ってきてくださった。
絶妙な渋抜きで絶品になった柿、
いつも楽しみに待っていたけれど。

一昨年頃だったろうか
ご主人が、今年は柿が渋を抜いてもダメで、とうとう寿命かな。
そう言っていた。

柿もその家の終わりを知っていたのだろうか。
60年以上庭に立ち続けた柿の木。
家と一緒に。
そんな気がしてしまう。


以前記事に書いた
この柿の木の家、今は誰もいない。
幼馴染の家に続いて、立ち退いていった。

越すのは10月になりそうだと聞いていたので
ご挨拶に見えた時に
金沢で買ってきたお土産を私からも渡し、
今までご近所でいてくださったことに
深く感謝した。
寂しくなりますと、お互いに言って別れた。

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一階の父の家のシャッターを毎日閉めるとき
寒い季節が近づくと
日暮れも早いし、誰もいない一階の部屋が寒々しくて。
そんな時
斜向かいの、その家の灯りが見えると
何とはなしに、ほっとしたものだ。


奥さんはまだ仕事に出ているので
リタイアしたご主人が
よく代わりに、おさんどんをしていた。

晩酌が好きで
近所のスーパーで、ご主人にあうと
今晩の肴はなんですか?
なんて立ち話をしたこともあった。

その家の灯りが消えてしまったことが
いちばん淋しかった。

ところが、引越しが済んで数日、
いつものように父の部屋のシャッターを閉めながら
ふと気づくと、もう誰もいないはずの斜向かいの家の
お勝手の灯りがついている。

え?
どうしたんだろう。
後片付けに帰ってきたのかな?
忘れ物?
よくよく見たら、街灯の明かりだろうか
ちょうどお勝手の窓に映って
まるで家の灯りがついているように見えるだけだった。

がっかりしたけれど
それ以来、虚しいと思いつつ
毎晩、そのお勝手の窓に映る灯りを見てしまう。

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でも、遠からずこの家も解体され
かりそめの灯りも見ることができなくなるだろう。

それは仕方ないこと。
そして、いつか
そんな日々に慣れていく。





# by sarakosara | 2018-10-21 17:31 | 日々

ミコは折り畳み傘を持っていたのだけれど
私は朝の晴天に騙され、
駅のコインロッカーに預けたカバンに折りたたみを入れっぱなしにしてきてしまった。

ミコの小さな折りたたみに二人で入ったけれど、ちと狭い。
まちなか展覧会の家の隣
ちょうど軒を並べて
西茶屋資料館と書かれた町家があった。

あ、ここ、ちょっと寄ってみる?
少し雨宿りさせてもらえるし。
そうだね、お昼にはちょっと早いし。と、ミコも。

ここは、当時のお茶屋を再現して建てられたもの。
二階にはお茶屋遊びに使ったという
紅殻(べんがら)塗りと呼ばれる朱色の壁が印象的な部屋が。

お三味線やお座敷太鼓もあって
芸妓さん達が舞い、奏でるお囃子、華やかなんだろうな。

今も現役のお茶さんもいくつか健在で。
この日も、通りを歩いていると、お囃子の稽古の音が聞こえてきました。


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一階は、このあたりのお茶屋で幼少期を過ごしたという
作家、島田清次郎の資料館になっている。

島田清次郎という作家のことは知らなかった。
大正時代に20歳の若さで「地上」というベストセラーを遺した作家で
あまりに早く文壇の寵児となってもてはやされ
そのことにうまく処することができず、身を滅ぼし
31歳の短い生涯を終えた。

芥川や菊池寛にも天才と絶賛されたが
今は知る人も少ない忘れられた天才作家。

「天才と狂人の間」「島田清次郎 誰にも愛されなかった男」
などの清次郎の生涯を書いた本もあり
調べれば調べるほど興味がわき
今は絶版となっている地上という小説も読んでみたくなった。

幼い頃父を亡くして母の実家が貸座敷をしていた
この西の芸妓街で育ったことも
人一倍感じやす心には、色々な影響を与えているのかもしれない。

犀川の左岸ほとり、歩いてもすぐの場所に、室生犀星も生まれ育っている。
清次郎の方が10年遅くこの世に生を受けたが
町ですれ違ったことなどあったかもと思うと
あまりに有名な犀星と、忘れられた清次郎とはいえ
二人の才気が生まれた場所というロマンも感じられる。

いく前に知っていれば
もっと思い入れを持って、この場所を感じることができたかもしれない。

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さぁ雨も上がったし。
そろそろお昼にしましょう。

同じ通りに、ちょっと感じのいい店があったので
そこのお蕎麦でお昼。
夜は、ワインバーになるという数登美。

ミコは鴨のつけ蕎麦。
私は揚げなすおろし蕎麦。

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畳に座布団の和風カウンターの奥には坪庭。
センスが良くて居心地もいい。

暑い外からホッと一息。
ランチビール呑みたかったけれど
ミコはビール好きじゃないから
ここは、我慢我慢。











# by sarakosara | 2018-10-14 22:37 |

遠きにありて思ふもの
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