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雨の神戸 フロインドリーブ

3月5日一泊でトラさんと神戸に行ってきました。
私がかねてから友人と約束していた神戸旅行に行ってきたのが一月のこと。
帰ってきてから、そのお土産話しをしているうちに、
「神戸ずっと行ってないなぁ」
「住んでいた西宮あたりもどうなってるだろうなぁ、もう60年も前だけど」
と、トラさんしきりに言うので、
それじゃ行ってみる?

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写真は1月に撮ってきたものも織り交ぜながら。

ちょうどミコ夫婦に一昨年ユウ誕生の時のあれこれへのお礼で
旅行券をもらっていながら、どこに行こうかなかなか決めかねて
使わないままになっていたので、チャンス到来。

私はもう一度行ってもいいよ、案内もできるしと持ちかけると
トラさん満面の笑み、よし、トラさんファーストの旅にしようと心に決めました。

東京からなら新幹線より飛行機の方が格安。
飛行機もトラさんは2019年の北海道行き以来なので、
なんとなくウキウキが伝わってきます。

ちょうど今月初めに、ヒカリの初節句で
スマのところに私たち夫婦、そしてRちゃんのご両親もみんな集まり、
Rちゃんのお父様が神戸出身なのを聞いていたので、
私たちのあまり知らない旅行のお勧めポイントなども聞いておきました。

お天気はピンポイントで、その二日間だけ雨模様。
それでも考えようによっては、花粉が飛ばないしね、とポジティブに。
一泊なので、出かける前に入念に予定を組みました。

と、入念に予定を組んでいたのに、初めから番狂わせ。
神戸空港から三宮駅に着き、まずはランチにお勧めと聞いていた
村上春樹もお馴染みというピザの『ピノッキオ』に向かおうと地図アプリを開くと
なんと土日以外は夕方からの開店。

急遽、もうひとつ聞いていた
教会をリノベーションした、フロインドリーブというカフェに変更。
冷たい霧雨の降る中、また地図アプリを頼りに。
静かな路地を入った先にありました。

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ここは、1929年に建てられたゴシックスタイルの教会、旧ユニオン教会だったところ。
以来教会の会堂として使われてきたものでしたが
阪神淡路大震災で被害を受け、
その後老舗ベーカリーフロインドリーブが買い取って改修し
1999年、ジャーマンベーカリーとカフェとして活用しているもので
国の登録有形文化財となっています。

趣のあるエントランス。

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中は広いワンフロアになっていて、
教会当時のままの窓が印象的。

教会としての役目は終えてしまったけれど、
人が集まり憩える場所として生き返ったこと、
パンや焼き菓子の香りに包まれる場所となったこと、
それはそれで良かったと思えます。

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予約無しだったけれど、少し待ったら
窓際の席へ通されました。
下から見上げると、梁なども教会の時の面影を残しています。

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神戸はパンの街。
私はBLTのサンドイッチ、トラさんは卵とハムのサンドイッチ。
本日のスープとドリンクをつけて。
サンドイッチは食べやすように、希望の数に切り分けてくれます。

雨と冷たい風に冷え切った身体もほっとひと息。

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美味しかったし、結果オーライだったねと
人心地ついたので、さて、そろそろ次の予定へと
駅に戻ったところで、
またまた番狂わせが待っていました。






# by sarakosara | 2024-03-19 10:28 | | Comments(0)

甘いもんじゃない

そろそろ何か仕事を始めようかと思いつつ、
ミコやスマからユウやヒカリのお預かりの
ヘルプの要請もあったりするものだから、
時間の自由になる仕事はないものかと思案し、
派遣の登録をして、一日だけスポットで入ることのできる仕事を見つけた。

明日は時間があると言う日の前日の登録で
翌日1日仕事ができる。
これならいいじゃない、
時間がある時は2、3日続けてもいいし、
ミコやスマが突発的に来たとしても、翌日に仕事を入れなければいい。

そんなわけで無事に登録完了と思いきや
早速「明日お仕事できますか?」と。
こういうスポットの仕事は、
倉庫などでの立ち仕事が多い。
黙々系の仕事なので、難しいことはありませんという。

1日8時間立ちっぱなしという作業時間に一抹の不安があったけれど、
年齢のわりには持久力はある方だと思っているし、
やってみないことにはわからない。
躊躇っている暇はない。

甘いもんじゃない_f0231393_16392781.jpeg

早朝お弁当持ちで出かけると、
シニア層が多いのかと思いきや、意外と若い人が多い。
そこでまず少し怖気づく。
みんな始業までの待ち時間、黙ってスマホを見ている。
場違い感たっぷり。

4、5人がチームになって
リーダーの指示のもと、黙々と作業を進めていく。
もちろん女性であることを考慮してだろうけれど、
力仕事のようなことはないが、それなりに神経は使うし、
検品しながらの細やかな作業でもある。

こういう仕事はあまり慣れていないから
おたおた。
女性リーダーが親切に説明はしてくれるが、
一度教えたことはしっかりね、というプレッシャーも感じる。
あとの二人もミコくらいの年齢で慣れているのか、
実にテキパキしている。

そこで、自分もてきぱき感を出さねばと焦ったのがはいけない。
「ミコくらいその1」さんに、
あの、この折り目が入ってしまっているの、
もしかしてギュッと掴んで入れていませんか?と指摘される。
たりら〜ん。
もちろん反論の余地はない。

それ以降は丁寧にを心がけたが、
そんなこんなの1日はあまりに長かった。

午前午後に15分の休憩と昼休み1時間はあるけれど、
足腰は棒になるし、ずっと俯く仕事に首は固まっているし、
昨年までフルタイムで週5働いていたプライド?は
あっけなく吹き飛んでいった。

日払いなので、仕事終わり
お疲れ様でしたとその日の賃金を封筒で渡され、
印鑑を押しておしまい。
薄暗くなった午後6時、帰り道はやり切った清々しさよりも
いやぁ、甘いもんじゃないないなぁと身体中で感じていた。

甘いもんじゃない_f0231393_16413923.jpeg

トラさんが作っておいてくれた温かな夕飯がなかったら、
そのままソファで寝てしまったかもしれない。
ほんと、甘いもんじゃない。




# by sarakosara | 2024-03-16 16:42 | つぶやき | Comments(2)

詩「愛する人のために」

ずっと続けてきた保険を解約した。
ずっとと言うものの、実は一度転換と言うのをしてしまって、
良い時代のいい保険だから、これはこのまま持っておいた方がいいですよと言われていたもの。
それを新人の女性外交員の方が来て、
初々しい彼女を応援したい気持ちが手伝って、
うっかり下取り転換してしまったもの。

たぶん、きっとその下取り転換で、
元々の保険のメリットは無くなってしまったと思われ。

とはいえ、自分で納得してのことだから
誰を責めるわけにもいかない。

それはさておき、子供たちもそれぞれ家庭を持ち、仕事も持っている。
もう私が亡くなったところで、
その後に子供たちに保険金を遺すこともないだろうと最近思い、
終身なので、ずっと保険料を納めるのも負担だから
県民共済だけにして、やめてもいい潮時だなと思った。

ただ、いざ解約の連絡をして
書類が届いてみると、急に迷いが出た。

母は、この会社のセールスウーマンだった。
40代で始め、亡くなるまでの15年あまり。
仕事、仕事で駆け抜けていった母。
東京の文京区界隈が持ち場で、
お客様に愛され、信頼され、今の時代でも驚くほどの成績を上げていた。

でもその仕事のやり方は、地味でコツコツ
土日もないほど自分や家族の時間を削っていくもので、
もう仕事をやめてほしいと、何度母に抗議したことか。

昨日送られてきた書類と一緒に、
母が当時お守りみたいに大切にしていた詩も同封されていた。


詩「愛する人のために」_f0231393_14542512.jpeg

谷川俊太郎氏の作った「愛する人のために」という詩。
「お母さん、この詩が大好きなの」と言っていた母。
家族との時間も大切にできないのに、綺麗事ばっかりと
思春期だった私は母を責めることもあった。
大好きな母だったのに。
当時の我が家の家計を支えていた母には、私の言葉はきつかったろうな。
そんな母を支えていたひとつが、この詩だった気もする。


詩「愛する人のために」_f0231393_15370618.jpeg

昨夜、何度もこの詩を読み返していたら、
この保険を解約することで、
母の大切にしてきた何かと縁を切ってしまうような、
そんな気がして、やっぱり解約をやめようかと迷ってしまった。
夜に考え事をすると、感傷的にってしまいだめだな。

トラさんとも相談して決めたこと。
結局今日、解約のための書類は投函した。
迷いを断ち切るように、
書類が送られてきた封筒は書棚にしまった。

父の庭の梅も、そろそろ終わりを迎える季節になった。



# by sarakosara | 2024-03-03 22:21 | 思い出小箱 | Comments(8)

遠きにありて思ふもの


by sarakosara