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古いアルバム

木曜日は父の定期検査があって、一緒に病院まで。
大きな病院は待ち時間が長くて
父も疲れてしまう。
もう、こんな大きな病院で検査なんかしなくてもいいんだよ。
ぼそっと父がつぶやく。
そうだなあ、私もそう思う。
自然にまかせていたい父の気持ち。
紹介状がないと診察してもらえない大きな病院
そこに通っていれば、
いざという時に融通がきくかもいしれないと思っていたけれど、
もう父のいいようにすればいいと思う。
何かの時は何か考えればいい。
長年の主治医の先生に事情を話して
歩いて行ける近所の病院に紹介状を書いていただく。

病院の近くのお蕎麦屋さんでお昼。
ずいぶん通った病院だったね、もう今日が最後だよ。
それでよかったの?
ああ、それでいい。
うん、それでいいよね。

今までひとりで通ってきたこの病院、
実は今回二度も予約変更をした。
出かける日の朝になると混乱する父、
いつもどおり、そろそろタクシーを呼ぼうか?という時間になって
まだ支度がぜんぜんできていなかった。
いつもならタクシーに乗った父を見届けて出勤、
三ヶ月に一度だけれど、
もう私が一緒じゃないと無理なんだ。
予約を取り直して仕事の休みをもらった。
これからは父の通院日にはゆっくりつきあうつもりで
職場にも話していたけれど、
近所の病院に変わって
当分はまた一人で行くことができることになるかもしれない。

家に帰ってから父のところで洗面所のタオル入れの棚に
懐かしいアルバムをみつけた。
父と母の新婚時代のアルバム。
こんなところに入れて湿気っちゃうじゃないと取り出して
ページをめくる。

古いアルバムにいる若い日の父と母。
結婚式の写真もあった。
二人の結婚記念日は5月5日。
いつの頃からか、私も5月に結婚したいと思うようになっていた。
この日はちょうど寅さんとの結婚記念日。
私たちもいつの間にか26年の年月を一緒に過ごしている。

やせていた晩年とは別人のような
丸顔でぴちぴちとした
勝ち気そうな目元の母。
可愛い花嫁さんの写真だ。
by sarakosara | 2012-06-02 17:32 | 日々

遠きにありて思ふもの


by sarakosara