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山梔子

仕事からの帰り道、どこからともなく甘い香り、
クチナシの花だった。
梅雨の晴れ間の夕方によく似合う香り。
自転車をこぐ足が軽くなるようだ。

私が育った昔の家、
勉強机の置いてある部屋は
窓がお隣の庭に面していた。
この季節、窓をあけて机に向かっていると
お隣の庭からクチナシの甘い香りがよくしてきた。
おばさんが私をみつけると、
はさみで切ってくれたこともあった。
小さな緑の一輪挿しに白いクチナシの花をいれて
あの頃の私は何を考えていたのだろう。

香りや匂いでよみがえるものがある。

雨をふくんだ風が運んでくる校庭の土の匂い。
林間学校の朝
雨上がりのヒバのいい匂い。
落ち葉焚きの煙の匂い。
港町の潮の香り。
色んな思い出がある。

山梔子_f0231393_23252693.jpg

そして、ちょっと恋しいのは、
家に帰ったときにする晩ご飯のいい匂い。
自分が作る人になってから
ただいま~と帰って、
おっ、今日はカレーだな、
焼き魚だねっていう
そういう楽しみがなくなってしまった。
もっぱら匂いをさせる人。
それも幸せというのかもしれないけれど、
ただいま、と帰ったときに、
ほっかほかの湯気をたてる、
いい匂いの料理があったら嬉しいだろうなと思う。

糠床に毎年入れる青梅の残りで
二年ぶりに梅酒をつけた。
青梅を手に取って鼻につけ、
くんくんすると
甘酸っぱい爽やかな香りがいっぱい広がった。
Commented by inuman at 2012-06-23 13:56 x
♪くちなしの 白い花 おまえのよぉ~な
は~なぁ だぁ~った~ ♪

やっぱりお約束をふる係って必要ですよね。。。

「いぬまん」とはミミズの乾燥したもの(出典:カムイ外伝)。
mimizu1001は登録抹消しました。
オヤジが死ぬまで重箱みたいなブログをすることは無理と思ってますが、再開までの仮のHNということで。

そうそう、かの人からご丁寧にメールいただきました。
伝言ありがとうございました。
Commented by keymyall at 2012-06-23 16:32 x
↑ inuman、、、、、、(^◇^)
私は、犬man かと思った。

料理の匂いって、空腹な時には、たまらないですね。
どちらかと言うと、やはり、醤油系の匂いは、一番の中に響きます。
暖かい食事って、幸せを感じますね。

クチナシは、きれいで清楚な花ですね。
渡哲也さんのおかげで、かなり有名になっちゃいましたね (*^_^*)
Commented by gabrielleraphael at 2012-06-23 23:19
くちなし、きんもくせい、梅。懐かしさ満載の日本の香り。あと、お線香(蚊取り含む)とか。
時々、週末にご近所からチョコレートケーキを焼くにおいがしてくるの。なんか人のうちなのに、幸せな気分のおすそ分けもらったかんじです。
今はね、窓開けてると、菩提樹の香りがすごい、今の香ってる...
Commented by さら子 at 2012-06-24 08:40 x
inumanさん
はい、私たちの年代の定番ですもの、
やっぱりそこかと(笑)

乾燥?それって水でもどりまつか?
封印された重箱や箱船、好きでしたよ、
でもみんな上京は、もとい、状況は変わるものね。
お聞きかもしれませんが、かの人も色々なことがあったから。
で、inumanさんいつのまにか乾燥しちゃって、
どこにコメを残せば?と思われたのでは?
でも互いに長いおつきあい、
ふっと、元気にしてるかな?って想いあうこと、
たかがブログ、されどブログであります。

今朝、どうしてもエキサイトにログインきず、非ログインでお返事です^^;
Commented by さら子 at 2012-06-24 09:23 x
keymyallさん
さっきちと調べたら、猫にマタタビみたいなものかと^^
>醤油系の匂い
ああ、わかります、煮物にしても、炒め物しても。
今お醤油の消費量が減っているときいたことがあるけれど
ちょっとさびしいなと思います。
もやし炒めだって、最後に鍋肌にジュッとお醤油を落とすと
ジャッと香りが立つ。
あたたかな食事を、はいって出せることも幸せなのでしょうね。

渡哲也さんは、みんなの定番お約束ね(笑)
タイトルの漢字、山は要らないみたいなのだけど、
なんだかこの漢字でインプットされていて。
クチナシの香り、やはり夏の甘い香りですね^^
Commented by さら子 at 2012-06-24 09:23 x
Gabrielleさん
春の初めの沈丁花もあったなって。
>あと、お線香(蚊取り含む)
そうそう、懐かしいよね。
私は祖母と一緒に暮らしていたからお線香くさい子だったと思う(笑)
でもお線香の香り好きなんですよ。
それと夏が来たんだなって思わせてくれる蚊取り線香の匂い、
子どもの頃は蚊帳もよく釣ってね、
祖母のは上等の水色のなのだけど、両親と私は濃い緑の重い蚊帳。
この蚊帳も独特の匂いがあって、その年の初めて蚊帳を出す日、
ちょっとワクワクとその匂いをかいだことを思い出します。
ああ、お菓子が焼けるバターの香り、甘い匂い。それも幸せの匂いよね。
そちらはちょうど菩提樹の花の季節なのかな?
泉に沿いて〜茂る菩提樹〜♪ ああ、どんな香りなんだろう。
匂いって大きく記憶を揺さぶるものらしいの、
ガブさんにとって菩提樹の香りもそんなひとつになるんだろうね。
Commented by shinn-lily at 2012-06-25 09:29
春からこの時季にかけて、本当に香りの良い季節ですね。
庭に出れば、そこはことなくいい香りがするし、家の中はピンクの百合を庭から切ってさしてありますから、二階まで香ります。
よい香りって幸せな気分になりますね。
香水はかなり注意してつかいますが、本当の花の香りは文句なしです。
そして一番好きなのが、くちなしの花の香りなのです。
車で通りかかった園芸店に苗が売っていて、あれを買おうかどうか迷っていたのです。なにしろ狭い庭で植えるところがないのです。
でも、ここで、sarakoさんの文を読んでいたら、やっぱりどうしても欲しくなりました(困)
Commented by sarakosara at 2012-06-26 07:27
リリーさん
ああ、百合の香りも大好きです、一本あるだけでよく香りますよね。
そういえば私の家にもピンクの百合の鉢植えがありました。
ほんとうに甘い香り、父の玄関先に置いてあったけれど、花の季節は蟻が集合してしまうくらい甘い香りがして、よく避難させていました。
いつからか咲かなくなってしまって。
お庭から切ってきてですか、うらやましいなぁ。
秋の金木犀、菊の清々しい香り、春先の梅や沈丁花、どれも季節がめぐったことを感じさせてくれますよね、そして夏が来たことを知らせてくれるクチナシ。
我が父の庭こそもっと狭いのですが、地面の下に配管があるようで、どうもうまく草木が成長しなくて‥夏椿も、とうと沈丁花も枯れてしまいました。
なんとか元気のいいのが、金魚椿と金木犀それに紫陽花です。
私も沈丁花をもう一度と思っているのだけど、その前にピンクの百合もほしくなってしまいました(困)
リリーさんの庭も来年はくちなしが夏を告げることになるといいですね、
と、そそのかす^^
Commented by shinn-lily at 2012-06-26 10:48
昨日の帰りに買いに行ったのですよ。確かとてもいい苗がひと箱あったのを土曜日に見ていましたから。
そしたら、あっという間に売り切れてしまったのですって。
あーあ、こうなったらどうしても欲しくなりました(笑)
Commented by bh2005k at 2012-06-26 18:42
くちなしの香り、、、いいですよね。
家の庭にもあったのに 気づいたら消えてしまって ・・・  
どこからともなく漂う花の香りに 元気をもらって 『がんばろ~!』って
 思うことがしばしばあります。 春を知らせてくれる沈丁花や夏の終わりを知らせてくれる金木犀、、、それほど強い香りはないけど くんくんすればほのかな香りを漂わせている花もあったりして。

あのね、娘は 玄関を開けるやいなや 「何か いいにお~い♪」 って、必ずといっていいほど言うんですよ。 ほめ上手!!
最近ね、町の中で夕食時に くんくんしても おかずがわかるような匂いがしなくなったような気がします。
たまに あ~美味しそう♪ って、思う匂いに出合うと 嬉しくなっちゃいます。 ウフフ
Commented by ゆゆ at 2012-06-26 21:01 x
さら子ねーさん、ありがとう^^
まだ見ぬさら子ねーさんに夢の中で会えるなんて、
どんな表情をしてたんだろう。緊張してたりして。
小さいスマ君かわいいんだろうな。私もジャージ、着てたかな^^
時々ブログでさら子ねーさんの不思議な夢を読んでたけど、
その中ではじめて逢えるって嬉しい^^

凛くんは花びらを一枚ずつ届けてくれるような、
何気ないふりをした優しさをいつも届けてくれます。
本当にね。さら子ねーさんの夢みたいかも^^

私が寂しいな‥って思ってたのをキャッチしてくれたのかなって、
この夢の話を読んでそう思いました。以心伝心かも^^
こんな風に繋がっていて良かった。
さら子ねーさんの春風そよそよふんわりした優しさが、
とてもあったかいです。いつもありがとう^^
白い花かわいい~。ほのかなピンク色も優しいです。
Commented by sarakosara at 2012-06-26 23:27
リリーさん
私がそそのかす前にもう買いに走っていたのですね^^
ああ、一足違いだったのかな、残念!
そ〜なんですよね、ないと思うとよけいに手に入れたくなるのが人情ってものです(笑)
きっとどこかにリリーさんを待っているもっといい苗が?
さぁどうしましょ^^
Commented by sarakosara at 2012-06-26 23:42
チェイルさん
そういえば今気がついたのだけど、
私が子どもの頃からのお隣のお庭にも
記事に書いた、あの甘い香りをさせたくちなしの花、今はもうなくなっています。
でも花を切ってくれたおばさんはもう90歳だけれどお元気なんですよ、
秋には裏庭の野菊をいっぱいくださって、お仏壇にあげたり、リビングにかざって香りを楽しみます。
そうそう、くんくんすると、ほのかな香りがする花も愛おしいですね、
私もとりあえず、色んな花に鼻をくっつけてみたり(笑)
鉢植えから切ってきたバラも部屋中に香るほどではないけれど
顔を近づけるとやさしい香りがします♪

ああ、いいなぁお嬢さん、私もそれが言いたいんですよ、
ただいま〜なんかいい匂い〜って。
ほめ上手なお嬢さんのおかげで、チェイルさんの腕がますます鳴る鳴る^^
スマもよくくんくんしながら入ってきて、献立を当てるのが得意です、
そんな時ちょっと嬉しいですよね。
明かりがついた台所からいい匂いがしてくる時って
作っている時なんですよね、生活の匂い、だからあったかいんだろうな^^
Commented by sarakosara at 2012-06-26 23:51
ゆゆちゃん
こちらこそ、こんな夢を見ることができたのも、
ブログでゆゆちゃんと逢えたから。
ああ、ゆゆちゃんがジャージだったかおぼえていないけれど、
とにかく自分のかっこうに笑っちゃったの。
二人でしゃがんで、凛くんからの花びらをあいだにおしゃべりをしました。
いつも突拍子もない夢だなぁと我ながら^^;
でもなんだかなごんだ夢だったなあ。
最初にコメントをもらった記事、まだおぼえているのよ
私が作った果実酒の話、たしか金木犀のお酒を初めてつくったという記事だったと思う。
父と一緒に庭の金木犀をゆっさゆっさしてつくった初めての金木犀酒、
そこでゆゆちゃんと出逢った。
とっても可愛らしいのに、独特の世界観のある女の子だなって思いました。
夢の時間とコメントの時間がほぼ一緒だったから
ほんとうにびっくりしたの、そっか以心伝心だったかな。
いつも嬉しいことや笑顔で満たされていたいけれど
生きているから寂しさも感じる。
でも、そんな時に心がつながったのならば嬉しいな、私こそいつもありがとう^^
Commented by hokkori-hime at 2012-06-27 13:51
こんにちは~
うっふ~ん、くちなしの白い花~~♪って、頭の中でリフレイン中(笑)
確かに香りや匂いでよみがえることありますね^^

案外ご飯の炊ける香りもすきなんですよね~
特に炊き込みご飯の香り~~
あぁぁ・・・・たまには「ご飯できたよぉ~」って、呼ばれたいなぁ。
Commented by sarakosara at 2012-06-28 07:07
ほっこりちゃん
おはよう^^
昔むかしはカラオケボックスとかなかったから
もっぱらスナックで歌っていたっけ、でもこの歌はそんなところで、ほろ酔いでききたいなって、そんな感じじゃない?
音楽もそうだなって今思ったけれど、香りや匂いもふっと一瞬でよみがえるものがあるよね。
人間の記憶の回路ってどんな構造なんだろう、ある一点が刺激されると思い出すことがあるのね、きっと。

ご飯の炊ける香り、ほのかだけどちょっと甘いような。炊き込みご飯ね、ああ、スマもすぐに嗅ぎつけるよ〜(笑)
ぜっぴ本物の松茸ご飯のいい匂いさせたいものだわぁ^^
ほっこりちゃんも、もっぱらいい匂いさせる専門だものね、私なんか忙しくて疲れた時なんか、お惣菜を買ってきてプラスしちゃうこともあるけれど、やっぱり家でつくった出来立てはいちばん。お父ちゃんも息子どんも、幸せね。
でもさ、たまには「ご飯できたよぉ~」があると、私たちも幸せよねぇ^^
Commented by うみ at 2012-06-28 22:15 x
嗅覚は五感の中で一番本能に近いものらしいですよね。
それはあってあたりまえで、もし匂いを感じることができなくなったら、
どんなに味気ない日々になるんだろうと思います。

Commented by sarakosara at 2012-06-29 07:41
うみちゃん
おはよう^^
>嗅覚は五感の中で一番本能に近いものらしい
ああ、そうなんだ。
本能って言葉、それこそなんだか五感を刺激されそう、って変かな^^
本来持っている能力、文明の発展の中で人間が忘れてしまった秘められた本能って色々ありそう。
以前ひどい風邪をひいた時に風邪は治っているのに、半月近く匂いがわからなくなったことがあったの、まず料理の味がなんだか今ひとつよくわからない。
ふだんあってあたりまえって思っていた嗅覚、それなしでももちろん生きていけるけれど、匂いや香りが伝えてくれるもの、広がるもの、もちろん危険を察知することもふくめてね、確かにとても大きな部分を占めているのだなぁと今さら。
今日もくちなしの花の通りを通っていこうかな^^

Commented by Gabrielle at 2012-07-02 05:37 x
さらこさん、
私もドン・ボスコファミリーだよ。下井草教会で洗礼、結婚(日本版)。98年にはトリノのサレジオ本部にも聖骸布を見に行った時にお邪魔しました。
すべては、ローマでカリタスのシスターと友達になったことから始まったの。続き書いてね。
Commented by sarakosara at 2012-07-02 19:55
ガブさん
ドン・ボ〜スコ、ドン・ボ〜スコっていう歌があったのよ、聖母祭でも歌ったかも♪
ガブさんと一緒だったなんて、うれしいご縁^^
始まりはローマなんだ、それもご縁なのね、今のガブさんにいたるまでのお話、いつかゆっくりきいてみたいな。
この学校にはイタリア人のシスターもたくさんいてね、本場仕込みのスパゲッティ、バザーになるといっぱい作って、私たちがウェイトレスをして、懐かしいなあ。ほんとうに美味しかった。
続きはこの学校で過ごした多感な年頃の複雑な想いもあるけれど、いつか書いてみようと思っていたから、時間ができたらきっと。
私は結局洗礼は受けなかったけれど、この12年間で培われたものはやはり私のベースになっていると思います。
by sarakosara | 2012-06-18 23:26 | 好きなこと | Comments(20)

遠きにありて思ふもの


by sarakosara