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父の日記

この冬に少し書いたけれど
父の机の引き出しでみつけた日記。
1957年の元日から綴られていた。
終わりは1958年、8月22日。
分厚い日記で、まだ真っ白なページが半分以上残ったまま。

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父と母が結婚して9年目に生まれた私。
子どもを待ちわびる気持ちと、夫婦ふたりの生活を大切にしていこうと思う気持ち。
ふだんの妻とのやりとりや、ささやかな出来事の中に
そんな父の気持ちが感じられる。
そしてこの日記を付け始めた翌年の8月、私が生まれた。

白いページの最後の日付は母の陣痛が始まったことから
さまざまな不安や喜びが去来する父の気持ちが書かれている。
そしてしめくくりは私が無事に生まれた喜びと妻へのねぎらい。
それきり、この日記は終わっている。
もう日記を綴ることよりも
新しい命との日々で満たされてしまったことを
物語っているかのように。

父の日記_f0231393_11515632.jpg

父をなくしてから
あらためて、私はどれほど両親から愛されてきたかを
ことあるごとに、ひしひしと感じている。
そんなふうに慈しまれ、育まれてきた命。
そんな命をこれからも大切にしていこうと思う、私の生まれた日に。
by sarakosara | 2013-08-23 23:58 | 思い出小箱

遠きにありて思ふもの


by sarakosara