カテゴリ:家族のこと( 56 )

ふたたび、ふたり

先週末はスマの引越しだった。
京都から帰って2カ月足らずのこと。

スマの預金通帳はすっからかんだし
当初はお金を貯めるため、我が家から通うつもりでいたけれど
片道一時間半近くかかる職場。
往復では三時間近くも通勤に時間を使うことになる。
新人は、あれこれやることも多いし、時間を気にして働いていられない。
家財道具も一通りあるし、
ということで、一人暮らしを決心した。

スマがネットで見つけて懇意になった不動産仲介業者の営業マンは
スマと同じ年頃らしく
休みのたびにあちこち内覧に車を出してくれたらしい。

そして結局決まったのがURの賃貸。
築50年、ご長寿の団地だ。


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でも50年前の団地は、当時の最先端。
ゆとりを持って作られており、緑も豊かで気持ちがいい。

寅さんは子供時代、父親が抽選に当たり
初代の団地、千葉県の松戸市に作られた常盤平団地で
父親の転勤で関西に引っ越すまでの数年を過ごしている。

当時の公団住宅は仕様がほとんど一緒なので
スマの部屋を見て、いいなぁいいなぁ、懐かしいなぁ〜を連発。


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こんな配達の牛乳受けもあるんだよ
お母さん知らないだろうと、
懐かしげに、ここが寅さんのツボだったらしい。

牛乳受けは知らなかったけれど
私も子供のころ友達が近所の団地に住んでいて
その頃の間取りそのままの部屋を見ながら
当時を懐かしく思った。

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さすがに築50年。
洗濯機を置く防水パンもなく、お風呂に排水なので
高低差をなくすため、かさ上げを自分で工夫しなくてはならなかったり
随所に古さは隠せないけれど
青畳の香りも清々しく
きれいにリノベーションされていて
気持ちよく整っている。

和室ふた部屋に、フローリングのLDK。
収納はたっぷりだしベランダつき
南北に窓があり
北側の部屋にはベッドを入れたけれど
LDKの窓から、こちらの窓まで、心地よく風が吹き抜けていく。

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横浜に一年、京都に二年
いずれの部屋も1Kで、まぁ学生には十分なところだったけれど
3度目の一人暮らしはゆとりの空間で過ごせそうで
自分のお給料で少しずつ整えていくのも、楽しみにしているようだ。

公団住宅には、初めての利用で35歳以下なら
格安な賃料で貸してもらえる
アンダー35割というシステムがあり、
スマもそれを利用している。

3年間までという縛りはあるけれど
3年経てば30歳。
スマの生活もどう変わっているかわからないから
その時点で考え直せばいいというスタンスで決めたようだ。

職場まで自転車で5分ほど。
かなり時間が有効に使えそう。

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さて、そういうわけで
我が家は、ふたたび私と寅さんの二人暮らしになった。

スマの出勤に合わせて5時半起きだった朝も
30分ほど寝坊ができそう。

ひと月前は、スマのいる生活に慣れず
フゥとため息ついていたのに
やっとそのペースができた頃には
いなくなってしまう。
いれば面倒、いなければ淋しい。

それでも一年前の今頃は
悪性リンパ腫の疑いもありと我が家でひと月あまり養生し
ちょうど就活最中で心配したもの。
まずは元気な今があることに感謝しなくてはと思う。
そして名実ともに大人なのだから
自分で身を立ててくれればそれで十分なのだろう。

ミコの結婚式に始まり
春からずっと子供達のことで忙しかった。
いつになっても、幾つになっても
心配は尽きないけれど
今は寅さんと二人の日々を大切にしよう。










by sarakosara | 2018-05-18 22:25 | 家族のこと

卒業

桜の季節に併せ
スマが2年間お世話になった大家さんにもお礼を言いたくて
先月の26日にあったスマの卒業式に
寅さんと京都に出かけてきた。

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スマが住んでいた部屋は
一階に大家さんのお宅があった。
二月にインフルエンザになったスマ。
40度近い熱が出て氷の用意もなく、買いに出かける気力もなくて
大家さんに氷をもらいに行ったら
おかゆや果物のほかにも
親だったら用意したであろう細々したものを持ってきてくれたとのこと。

スマ君にだけしているのじゃないんですよ。
ここにいるお子さんたちはみんな同じように心配していますよと笑顔の大家さん。
2年間という短い間だったけれど
ほんとうにありがたくて、感謝の言葉を伝えた。

疎水のそばの桜が満開の二年前
細い路地を引越しの荷物を運んだのが
ついこの間に感じられる。

ひたすら研究、研究で過ごした京都での2年間は
試練とダメ出しの日々で
大学への思入れはほとんどないと言い切っているスマだけれど
京都の町への思入れは多くあるという。

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卒業式の日にお昼を食べに入った近所の食堂にも
度々お世話になったのだろう
卒業おめでとうの言葉と一緒に、
サービスだよと、マスターが大盛りのご飯をよそってくださった。
行き詰まり、やり切れない気持ちを抱えて
幾度となく扉を叩いた中島みゆきバーで出逢った
人生の先輩たちから励まされたこと
そんな大学外での繋がりをむしろ忘れがたく想っている
今回の卒業。

もう学生になることはこれが最後だろうけれど
非常勤講師を経験してからの院生への復帰。
思入れはないと言うけれど
遠回りして得たものは
これからのスマにとって
のちにどれくらいの意味を持ってくるのか
それはもっと先にわかることなのだと思う。

四月になり、新しい職場にも通い始めた。
中高一貫校の化学科教師。
研究室の仲間のほとんどは
企業の研究所に入る。

希望の学校の募集がちょうどいいタイミングであり
運よく採用になったけれど
なぜ企業に進路を決めなかったの?と
訝しがられているという。

それは院に進む時点から決めていたこと。
そして2年経ってもその思いは変わらなかったということだ。

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観光ではなく訪れることになったこの街。
住むように歩いた川端二条の交差点。
なんども通ったコインランドリーもすぐそばにあるここが
私にとっては懐かしく思う場所になるかもしれない。









by sarakosara | 2018-04-15 14:32 | 家族のこと

結婚式 梅咲き初める頃

2月17日、ミコの結婚式を無事終えました。
今年に入ってからは
無事にという言葉を何ども心の中でくりかえし
二人がつつがなくこの日を迎えられることを祈ってきました。

当日は平昌オリンピック真っ最中
ちょうど披露宴の時間に、羽生結弦選手が金メダルを決めて
司会の方の粋な計らいで速報
会場も沸き立ち、
披露宴に花を添えてくれて、記憶の一ページに一緒に記されました。

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新郎の亡きお父様の代わりに
お母様が式の最後の挨拶で言われていた言葉。
大学に入ってからは親元を離れ
どんな日々なのか
あまり知らずにきたけれど
こんなにあたたかな素敵な人たちに囲まれていることを知り
この結婚を祝福してくださり、
式の途中で何度も感動しましたと、涙ぐみながら話されていた。

ほんとうにその言葉通り
二人と、周囲の方々で作り上げた
あたたかくて、幸せな式でした。

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朝出がけに
いつも使っている私の鍵がどうしても見つからなくて
慌てて予備の鍵を持って家を出ました。

寅さんは、とあるミッションがあり
一足先に出てしまっていて
急遽持ったのは生前父が使っていたもので
父の家と我が家の鍵がついたもの。
ミコが小学校の修学旅行で父にお土産に買ってきた
キーホルダーについています。

結婚式の数日前、ミコの花嫁姿を楽しみにしていた父を思い出して
父の写真を持って行こうか迷いました。
でもミコを大切に思っていたのは寅さんの両親も同じ。
私の母だってそうだったろうと思ったら
みんなの写真とか、きりがないな、とやめたのです。

宇宙人のETみたいな様子のキーホルダー
日光のお土産なのにねぇと笑いながら父に言ったら
ミコちゃんが買ってきてくれたのだからと
嬉しそうに、それ以来ずっとこのキーホルダーを使い続けてくれた。
おかげで、上まで真っ黒だった大きな瞳は
すっかり色がハゲて、
今は目をふせて微笑んでいるかのような
穏やかな表情に変わっています。

式の途中でバッグを開いた時に
あ、父の鍵。
偶然とはいえ、持ってきた鍵を見て、はっとして
それからクスッと可笑しくて
そっか、そんなにこの式に来たかったのねと、父を想いました。

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父の庭の梅も今年は寒さで開花が遅れ
ミコの式の前日に開き始め、
今は、ちらほらまだ二分咲きほど。

けれど、今年は白梅と紅梅を見つけました。
もともと源平咲き分けだったものが
ここ何年も紅梅がつかなかった。
それが今年は久しぶりに紅白咲きをしそうな気配。
これも父の計らいでしょうか。

来週はスマの引越し荷物が届き、
しばらく慌ただしい日が続きそうです。







by sarakosara | 2018-02-26 22:47 | 家族のこと

風花

一月最後の金曜日の夜、スマからの電話があった。
ちょっと声が聴きたくなってと。
そんな電話は初めてのこと。
研究室で厳しい状況下にいるのは知っている。
大丈夫だよと笑うけれど、
ちっとも大丈夫じゃないように聞こえてしまう。

折も折、部屋のエアコンも壊れてしまったらしく
今は修理に立ち会ってる時間も惜しいし
部屋には寝に帰るだけだから、布団に入れば大丈夫と言う。

でも、昨年の5月に一度身体を壊しているし
底冷えの京都、ことに冷え込みの厳しい今年の冬。
いてもたってもいられず、とにかく顔だけでも見たい
温かいものを作って食べさせたいと思い
いつもは甘いなぁという寅さんも背中を押してくれて
土曜の朝、急遽京都に向かった。

地下鉄を降り地上に出ると、風に雪が舞っていた。
青空に雲が流れる空から
時に強く、小止みになったと思うと、またさらさらと。
風花だ。
フードをかぶり、コートの襟元をぎゅっと詰めて歩く。
気温が低いせいか、手で払えばすぐに落ちる雪
風に舞う花のようだと風花と呼ばれるのだろうけれど
スマのことも気がかりで、足取りは軽くない。

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合鍵で入ると寒い部屋は
ここのところのスマの日々を想わせるよう。
足の踏み場もない。

コインランドリーと部屋を数回往復。
スーパーへ夕飯の材料と、あれこれ足りないもを調達に2回。

エアコンの修理は間に合わないので
安全な暖房器具を探しに駅前の電気店、そしてホームセンターに行くも
季節終わりに近づいている上に寒いので品薄
だんだん暗くなる中、地の利のない街で途方にくれ
頼りは手元のスマホ。
もうここで無ければ諦めようとタクシーで向かった三軒目で
やっと思うようなオイルヒーターが見つかった。

道がわからず、一緒に探しながら走ってくれたタクシーの運転手さんは
帰りにタクシーを拾いやすい道を教えてくださった。

電気店の店員さんも
ダンボールは要らないので、
店頭に並ぶ3000円安い品を持ち帰りたいと言ったら
丁寧に拭き上げ、プチプチで包装して
重いからタクシーがつかまるまで持ちますよと、通りまで出てくださった。
勝手のわからぬ底冷えの京都で
スマのことも心配で心がささくれだっていたけれど
私の気持ちはほっと温もっていた。


片付けが済み、夕飯の支度を終えた時は
もう午後10時を回り、11時頃スマ帰宅。

わあ、あったかいなあ。
ほんとうに、ありがとうございましたと、
何度も頭をさげる。
そしてたっぷり作ったポトフと炊き込みご飯を
うまいうまいとたいらげていく。

ああ、食べられれば大丈夫だねと
顔を見て、ほんとうにほっとした。

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連日深夜まで研究室にこもり
それでも実験で望むようなデータが取れなければ
次へ進むことができない。
時間制限があれば、どんどん追い詰められていく。

そういう世界なのだと言ってしまえばそれまでだけれど
現実の厳しさはひしひしと感じる。
昼間は教授に二、三時間続く叱責を受ける日々
教授は自分の何十倍も才能があるし、何十倍も努力しているのだから
結果の出せない自分に非があるという。

スマが現場にいる今は書けないけれど
昨今のデータ改ざんも
結果ありきで追い詰められた研究者が
してはいけないことをしてしまう心理もわからないではないと思ってしまう。

数名の研究室生や助教が
心を病んで研究室に来られなくなったり、やめていったりした話も聞いていたから
なおさら心配になった。

甘いのはわかっている。
わかっているし、信頼もしているのだけれど
もしも、もしもと思ってしまう。
スマの涙と笑顔を見て、きてよかったと思えた。
そして、きっともう大丈夫だと。


日曜も私より早く部屋を出たスマ。
最後の洗濯物をたたみ
オイルヒーターを消して、窓の外を見ると
また風花のような雪が舞っていた。

ここで二年の月日を過ごしたスマの部屋
この部屋からの眺めはおそらく見納めになるだろう。
私も、つかの間、かりそめの街暮らしで
立ち去りがたいような気持ちになりながら
鍵をかけて帰途についた。








by sarakosara | 2018-02-03 23:03 | 家族のこと

待ち人来たる 仙台より

ミコの夫Y君は、仙台出身。
お父様はY君が大学生の時に病気で亡くなられ
仙台の実家にはお母様と妹さん家族が住んでいます。

5月の連休に一度顔合わせのために
埼玉にきてくださり、
みんなで食事をしました。

妹さんの息子ちゃんを連れて
東京見物も兼ねていたのに
お土産をわんさかいただいて
呑兵衛夫婦のために重いお酒まで。


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そして今回は結婚式場を見ておきたいということで
先日の三連休、お母様一人での上京。
ミコ達と三人で式場を見たあと
今度は我が家の近くで食事でもしましょうと
そしてよかったら泊まりは我が家へとお誘いしました。
元三世帯の我が家、部屋はいくつでも(笑)
遠慮されるかなぁと思ったけれど
快く、それならお言葉に甘えてと来てくださって。
嬉しかった。

今回も仙台名物をお土産に。

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Y君のお母様は私と同い歳。
長身ですらりとかっこいいところは違うけれど
同世代の気安さもあり、
もともとさっぱりとおおらかなお人柄で
すぐに打ち解けることができました。

二人だけでゆっくり話す機会が欲しかったので
3時過ぎの新幹線に間に合うように送りがてら、
ランチでもどうですか?とお誘いしたら
これまた喜んでと快諾。

仙台のお孫ちゃんへのお土産を買った後
探しておいたカフェへ向かいました。

Y君とミコとの出会い。
二人の子供時代のこと。
今はなきご主人のこと。
スマやシングルマザーの妹さんのこと。
震災の時のこと。
たくさん、たくさん、話しました。

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Y君は仙台を心から愛しています。
また、父なき今、お母様と妹さんのことも案じている。
いつかは、できたら帰りたいと思っている話もミコからきいている。
でも、仕事のことはもちろん
ミコや私たちのことも慮って
どうしたものかと思案しているらしい。

そんな話をきいていたので
結婚前からミコには
Y君が仙台へ帰りたいと言った時は
お父さんやお母さんのことは気にせず
ついて行ってと言ってありました。

以前は娘は身近なところにいてくれたらと思ったこともあった。
けれど、私自身、父のことを大切にしてくれる人と結婚したいと思い
寅さんはその気持ちに寄り添ってくれたことを思うと
ミコにも、何より好きな人の気持ちを一番にしてほしいと思う。


ご主人の遺した会社の仕事、いつもの自分の仕事
家族のこと。
今は自分の自由な時間なんかないらしい。
「主人が亡くなってから
ますます大雑把で男っぽくなちゃって」と笑うけれど
秋風みたいに爽やかで素敵な飾らぬ人。

宮城県の有名なブランド米はひとめぼれ。
まさに娘婿のお母さんに、一目惚れ。

仙台に親戚ができたことも嬉しくて
新幹線の改札で、また今度、と手を振りました。







by sarakosara | 2017-10-15 23:07 | 家族のこと

サボテンの花

サボテンの花が咲きました。
ミコが小学生のときに買ってきてくれたもの。
最初は手のひらにすっぽり収まるほどの小さな鉢に植えられ
色とりどりの砂が敷いてあって可愛らしかった。
カーネーションが定番だろう母の日に
トゲトゲのサボテン、ふた鉢。
けっこう斬新なプレゼントでした。

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でも、小さかったミコが
一生懸命選んでくれて
うれしそうに渡してくれたのだろうその頃を思うと
愛おしくて思わず笑みが。

だんだん大きくなって植え替えたりしたものの
一度も花をつけることはなかった。
それが20年近くたった今年
初めて花が咲いたのです。

たまにしか水もあげない窓辺で
小さな花は二日ほどでしぼんでしまうところ
幸運にも見つけることができた。

トゲトゲのてっぺんに咲いた小さな可憐な花。
嬉しくて、すぐに写真を撮りミコに送りました。
今頃になって、咲いてくれたよと。

思い返せば10年以上前
思春期の女の子たちは
みんなと一緒が好き
つるんで同じことをして盛り上がることの好き
そんな世界では
ちょっと生きにくいこともあったミコ。

私と違う個性に
私自身、母として戸惑うことも多かったし
実際ぶつかることもあった高校時代。
愛おしい気持ちと、持て余す気持ちが正直あったし
私のトゲにミコが傷ついたこともあったろう。

でも気づかれないほど小さなサボテンの花のように
人の気づかない傷みを感じることもできる子だと思ってきた。

そんなミコの良さに気づいてくれる人がいればいいなと思い続け
きっといると信じ、
そしてめぐり逢った人。
2月から一緒に住み始めてはいたけれど
8月17日無事その人の元へと入籍を済ませました。


先日はウェディングドレスの試着に。
お式は和装で神前式がいいと
今流行りのチャペルでの式も、可愛い花冠もいらないと言う。

なのでお色直しで着るドレスにはベールはない。
試着のこの日限りのベール姿。
こちらのドレスも試着のみ。


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別のシンプルなミコ好みの一着があって
係のお嬢さんに、こんなに早く決まる方は少ないんですよ
ご自分の好きなものがはっきりわかっているのですね
素敵なことですね、そんなことを言ってもらいました。
結婚式は来年の二月です。


15日までだったお盆休み
お墓まいり以外はどこも出かけずだったけれど
前半はミコが泊まりにきて
一緒に私たち両親からのプレゼントを買いに行きました。

昔だったらタンスやドレッサー
それに着物なんかを用意して持たせたのだろうけれど
一人暮らし同士だったから色々あるし
だから何も要らないと。
それで選んだのが、真珠のネッックレスとイヤリング。

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いくつかの中から好きなメッッセージプレートを入れられますよと言われ
三人でこの言葉を選びました。

お盆後半、ミコたちは彼の実家のある仙台へ。
その後、入籍を済ませ
京都にプチ新婚旅行、スマにも会ったようです。

二人の船出、身体に気をつけて、幸せにと祈ります。





by sarakosara | 2017-08-21 22:33 | 家族のこと

甘くてすっぱい

先週半ば、スマは帰っていった。
いつもの帰省なら、友達と会ったり
ろくに家にいないので
ひと月あまり、こんなに家にずっといたのは小学生の頃以来かな。
そのせいか行ってしまった日は
仕事から帰ると、しんとしたリビング
ぽっかりと寂しくなって
あれこれスマのものを片っ端から片付けた。

しかし数日たってみると
散らからないリビング、少ない洗濯物
朝もバタバタせず自分の時間が取れるし
うん、これもやっぱり楽。
就職活動もすべて順調とはいえないようだが
こんなことがあると、
多くは望まない、
来年なんとか自分の身を立ててくれればそれでいい
元気であってくれればそれでいい、そう思う。

6月は仕事も山だし
他の用事も立て込んで
やっと何もない土日。
寅さんは同窓会でいそいそお出かけ。
私ものんびり
サンドイッチとよく冷えたお茶で一人のお昼。
ベランダのゴーヤもだいぶ伸びてきて緑が気持ちいい。

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今日はミコが久しぶりに泊まりにくる。
彼が臨海学校で泊まりだから行ってもいい?と
今週初め連絡があった。

ミコも今年は仕事で初めての大きな壁にぶつかっている。
今までも小さな山はいくつもあったけれど
周りの人たちに恵まれ、なんとか乗り切ってきた。
しかし、今度の山はミコにとってかつて無いほど大きいようだ。
今年は新しい町、新しい環境でまだ要領も得ないまま
さらに負担が増えているらしい。

やめたいなという言葉がなんどもでる。
やめてもいいんじゃない?
そう言ってやりたい
実際婚約者のY君も
身体を壊したら元も子もないよと言ってくれているようだ。
しかし子ども相手の仕事。
なんとか心を通わせて
今年度を乗り切りたいという一心で頑張っている。
またここを踏ん張れば、きっとミコも達成感と一緒に
またひとつ成長するのだと思う。

今回の抜擢は冷静な目で見てもミコに押し付けられたように思われるふしがある。
でも世の中理不尽なことはいっぱいある。
どんな仕事だって甘いもんじゃない。

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今夜はミコの好きなものをたくさん作って
ふたりで乾杯しよう。
愚痴も、うんうんといっぱいきいてやろう。

可愛いさくらんぼも買って来た。
ミコには初物だといいな。
東を向いて笑って食べよう。
世の中甘いものじゃないけれど
甘くてちょっぴりすっぱいさくらんぼだ。




by sarakosara | 2017-06-24 16:28 | 家族のこと

引越し 梅香る頃

今年更新を控えていたミコの部屋。
折しも婚約者の彼も同時期に更新を迎えることがわかり
更新料も馬鹿にならない金額なので
お互いの親にもちゃんと挨拶も済んでいることだし
新居を探してしまおうかという運びになったのが
年明けのこと。

それから間もない先月末に
事後報告だけど、いいところが見つかったので
契約しましたと連絡があり
年度末の忙しい最中なので、
引越しするのならこの日しかないと決まった日取りが昨日、今日。
昨日は私も手伝いに行き
今日は職場の同僚が数人手伝ってくれる算段。

二人とも職業柄休みは取れず
どちらも独り暮らしの部屋からの引越しなので、
ほんとうにバタバタと慌ただしいことになった。

それでも即決しただけあって
ほんとうに明るい良いお部屋。
私はキッチンの荷ほどき、片付けを引き受け。
リビングと寝室は彼とミコで荷ほどき。

独り暮らし同士なので大概のものはすでにあるため
新しい買い物はダイニングテーブルのセットのみ。
ふたりで一緒に組み立てる声を
キッチンでききながら、
新しい生活が始まる初々しいときめきのようなものが
私にも伝わってくる。

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先週は荷造りの手伝い。
独り暮らし4年目のワンルームは
整理整頓されていて、荷造りもしやすいけれど
それでもダンボールがいくつも積まれていく。

一休みしようか
コーヒーでも飲みたいね。
うん、ちょうどひとパックインスタントのドリップコーヒーがあるから
入れるねと、ミコ。
あらかた食器も詰めてしまって
もう処分してしまおうかと
迷っていたカップがちょうど二つ。

まだ捨てないでくださいって言われてるみたいと、ミコが笑う。
ふたりでホッとひと息つきながら
ほんと、急に愛しくなっちゃうね、このカップ。とまた笑う。

あれよあれよと事が運び
結婚式を挙げるところからの心の準備がなかったので
急に手元から離れてしまうようで
すうっと心もとないような一抹の寂しさがある。

新居もとりあえずの賃貸だけれど
路線も二回乗り換え
何かというと行き来していた今までのようなこともないだろう。

よき伴侶を得たのだから
そのことはとても嬉しいのに。


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もう30年も前の父も同じような気持ちだったのだろうか。
それは父にしかわからないことだけれど
娘の嫁入りを一緒に祝い寂しさを分かつ妻はすでになく
ホッとする一方
手元で慈しんできた一人娘の私を嫁がせ
二十数年一緒に過ごしてきた日々を手放すこと
どんなにか寂しかったろうと思う。

自分が娘を送り出す時になって
あらためて父の気持ちに思い至る。
芋づる式に晩年の父のことまであれこれ思い出し
急にしんみりしてしまって
ミコの手前なんだか気恥ずかしくなって笑ってごまかした。

その日開き始めた父の庭の梅は
今朝はもうすっかり満開に近いほど開き香っている。




by sarakosara | 2017-02-19 17:50 | 家族のこと

大切な人

秋風がふいている。
そんな夕暮れは
ちょっと人恋しくなる。

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先週の日曜日
我が家に、ミコの大切な人がきた。
寅さんと私も家中を掃除して
ドキドキ待っていたけれど
Y君はその何倍も緊張していたらしい。

おもてなし料理を色々検索してみたものの
やっぱり作り慣れた自信のもてる味だと結論。
ちらし寿司に茶碗蒸し、鯛の昆布ジメ
友達が送ってくれた増毛のタコのマリネ。
揚げたてコロッケ。
美味しくな〜れと、心をこめた。

食事をしながら
お互いのあれこれを話し
なごんだ空気が流れ出した頃
ちょっとY君にきいてみた。

ミコって少し変わっているでしょう?
は?と怪訝な顔の彼
う〜ん、変わっているというか、
今時の女の子と少し違うでしょう?

ああ。それか、というように笑うY君。
そういう意味なら、僕も少し変わってますから。
ミコと目を合わせて笑っている。

最近は料理も上手に作るようになったのよ。
うちに来て作ってくれると手際もよくなって。
はい、めちゃ、美味しいですよね。
あ、もう食べたの?
それは、ごちそうさまでした。

まだ、これからのふたり
でも、互いを大切だと思えること
私たち以外に
ミコのことを大切に思ってくれる人がいることは
心強く、あたたかい。

具体的な話はまだないけれど
とても幸せな一日だった。
急かさず、ふたりの機の熟す時を待とうと思う。





by sarakosara | 2016-09-12 21:09 | 家族のこと

祖父の記録

いつの間にかひとつ前の更新からひと月。
ミコもお盆休みに三日ほど帰ってきたり
スマがまた一週間休みがもらえたと
青春18切符でもどり
しばらく我が家も賑やかだった。

そして私はまたひとつ歳を重ね
8月最後のお楽しみの、
a-nation island & stadium fes. 2016は雨の中、
アリーナだったので、カッパを着て楽しんできた。

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そんな間も何度も台風が
日本列島を通り過ぎて
東北、北海道の豪雨。
いまだかつて経験のないような
という言葉がニュースで何度も流れ
これからも未だかつてないようなことが続くのだろうかと
貘とした不安を感じることがある。


7月の末に祖母のことを書いて
それから間もなく、
月遅れのお盆の支度をしている時に
父の仏壇の下の引き出しをあけてみた。
なぜか引き寄せられるように
見覚えのある少し大きめの菓子の缶を開くと
中に祖母の旅行写真などと一緒に
一冊のぼろぼろの冊子をみつけた。

開いてみると祖父のものと思われ
昭和10年の北海道静内町の
凶作の概況と記されている。

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綿密な気温の記録、
風雨水害、冷害のひどい年だったらしく
写真とともにまとめられ
数年来の農村の疲弊困憊を何とか救済すべく
声明書として締めくくられている。

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昭和初期の北海道の農業と
その指導に一生懸命取り組んだ人だと
祖母からきいている。
会ったこともない遠い存在だけれど
子どもの頃から、
どこか、大好きな宮沢賢治と重なってみえることがあった。

幼なかった母の手をひいて
教会に通ったり
クリスマスにはサンタクロースに扮して
母を喜ばせてくれたという。
温厚でめったに大きな声を出すことはなかったが
大きな地震で津波がくると騒ぎになった時は
冷静に行動し
臍に力をいれて泣くんじゃないと叱られたことを
母はよく憶えていると言っていた。

この冊子をまとめた二年後
働き盛りの40代に結核で他界した祖父。
なんで今まで、この冊子に気づかなかったのか
不思議と言えば不思議なことだけれど
農業に携わる人と、自然との過酷な共存は
昨日今日始まったことでないのだとあらためて想った。

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大地の恵みにあふれる季節を迎える秋
なぜその実りの季節は台風の季節なのだろうと
自然界の皮肉にため息し
時に燦々と、時に激しく変化する自然と向きあいながらの収穫
幾度もめげず立ち上がってきた人たちのことを忘れず
ありがたくいただくことを忘れないでいたい。
by sarakosara | 2016-09-11 18:11 | 家族のこと

遠きにありて思ふもの
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