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結婚式 梅咲き初める頃

2月17日、ミコの結婚式を無事終えました。
今年に入ってからは
無事にという言葉を何ども心の中でくりかえし
二人がつつがなくこの日を迎えられることを祈ってきました。

当日は平昌オリンピック真っ最中
ちょうど披露宴の時間に、羽生結弦選手が金メダルを決めて
司会の方の粋な計らいで速報
会場も沸き立ち、
披露宴に花を添えてくれて、記憶の一ページに一緒に記されました。

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新郎の亡きお父様の代わりに
お母様が式の最後の挨拶で言われていた言葉。
大学に入ってからは親元を離れ
どんな日々なのか
あまり知らずにきたけれど
こんなにあたたかな素敵な人たちに囲まれていることを知り
この結婚を祝福してくださり、
式の途中で何度も感動しましたと、涙ぐみながら話されていた。

ほんとうにその言葉通り
二人と、周囲の方々で作り上げた
あたたかくて、幸せな式でした。

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朝出がけに
いつも使っている私の鍵がどうしても見つからなくて
慌てて予備の鍵を持って家を出ました。

寅さんは、とあるミッションがあり
一足先に出てしまっていて
急遽持ったのは生前父が使っていたもので
父の家と我が家の鍵がついたもの。
ミコが小学校の修学旅行で父にお土産に買ってきた
キーホルダーについています。

結婚式の数日前、ミコの花嫁姿を楽しみにしていた父を思い出して
父の写真を持って行こうか迷いました。
でもミコを大切に思っていたのは寅さんの両親も同じ。
私の母だってそうだったろうと思ったら
みんなの写真とか、きりがないな、とやめたのです。

宇宙人のETみたいな様子のキーホルダー
日光のお土産なのにねぇと笑いながら父に言ったら
ミコちゃんが買ってきてくれたのだからと
嬉しそうに、それ以来ずっとこのキーホルダーを使い続けてくれた。
おかげで、上まで真っ黒だった大きな瞳は
すっかり色がハゲて、
今は目をふせて微笑んでいるかのような
穏やかな表情に変わっています。

式の途中でバッグを開いた時に
あ、父の鍵。
偶然とはいえ、持ってきた鍵を見て、はっとして
それからクスッと可笑しくて
そっか、そんなにこの式に来たかったのねと、父を想いました。

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父の庭の梅も今年は寒さで開花が遅れ
ミコの式の前日に開き始め、
今は、ちらほらまだ二分咲きほど。

けれど、今年は白梅と紅梅を見つけました。
もともと源平咲き分けだったものが
ここ何年も紅梅がつかなかった。
それが今年は久しぶりに紅白咲きをしそうな気配。
これも父の計らいでしょうか。

来週はスマの引越し荷物が届き、
しばらく慌ただしい日が続きそうです。







by sarakosara | 2018-02-26 22:47 | 家族のこと

風花

一月最後の金曜日の夜、スマからの電話があった。
ちょっと声が聴きたくなってと。
そんな電話は初めてのこと。
研究室で厳しい状況下にいるのは知っている。
大丈夫だよと笑うけれど、
ちっとも大丈夫じゃないように聞こえてしまう。

折も折、部屋のエアコンも壊れてしまったらしく
今は修理に立ち会ってる時間も惜しいし
部屋には寝に帰るだけだから、布団に入れば大丈夫と言う。

でも、昨年の5月に一度身体を壊しているし
底冷えの京都、ことに冷え込みの厳しい今年の冬。
いてもたってもいられず、とにかく顔だけでも見たい
温かいものを作って食べさせたいと思い
いつもは甘いなぁという寅さんも背中を押してくれて
土曜の朝、急遽京都に向かった。

地下鉄を降り地上に出ると、風に雪が舞っていた。
青空に雲が流れる空から
時に強く、小止みになったと思うと、またさらさらと。
風花だ。
フードをかぶり、コートの襟元をぎゅっと詰めて歩く。
気温が低いせいか、手で払えばすぐに落ちる雪
風に舞う花のようだと風花と呼ばれるのだろうけれど
スマのことも気がかりで、足取りは軽くない。

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合鍵で入ると寒い部屋は
ここのところのスマの日々を想わせるよう。
足の踏み場もない。

コインランドリーと部屋を数回往復。
スーパーへ夕飯の材料と、あれこれ足りないもを調達に2回。

エアコンの修理は間に合わないので
安全な暖房器具を探しに駅前の電気店、そしてホームセンターに行くも
季節終わりに近づいている上に寒いので品薄
だんだん暗くなる中、地の利のない街で途方にくれ
頼りは手元のスマホ。
もうここで無ければ諦めようとタクシーで向かった三軒目で
やっと思うようなオイルヒーターが見つかった。

道がわからず、一緒に探しながら走ってくれたタクシーの運転手さんは
帰りにタクシーを拾いやすい道を教えてくださった。

電気店の店員さんも
ダンボールは要らないので、
店頭に並ぶ3000円安い品を持ち帰りたいと言ったら
丁寧に拭き上げ、プチプチで包装して
重いからタクシーがつかまるまで持ちますよと、通りまで出てくださった。
勝手のわからぬ底冷えの京都で
スマのことも心配で心がささくれだっていたけれど
私の気持ちはほっと温もっていた。


片付けが済み、夕飯の支度を終えた時は
もう午後10時を回り、11時頃スマ帰宅。

わあ、あったかいなあ。
ほんとうに、ありがとうございましたと、
何度も頭をさげる。
そしてたっぷり作ったポトフと炊き込みご飯を
うまいうまいとたいらげていく。

ああ、食べられれば大丈夫だねと
顔を見て、ほんとうにほっとした。

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連日深夜まで研究室にこもり
それでも実験で望むようなデータが取れなければ
次へ進むことができない。
時間制限があれば、どんどん追い詰められていく。

そういう世界なのだと言ってしまえばそれまでだけれど
現実の厳しさはひしひしと感じる。
昼間は教授に二、三時間続く叱責を受ける日々
教授は自分の何十倍も才能があるし、何十倍も努力しているのだから
結果の出せない自分に非があるという。

スマが現場にいる今は書けないけれど
昨今のデータ改ざんも
結果ありきで追い詰められた研究者が
してはいけないことをしてしまう心理もわからないではないと思ってしまう。

数名の研究室生や助教が
心を病んで研究室に来られなくなったり、やめていったりした話も聞いていたから
なおさら心配になった。

甘いのはわかっている。
わかっているし、信頼もしているのだけれど
もしも、もしもと思ってしまう。
スマの涙と笑顔を見て、きてよかったと思えた。
そして、きっともう大丈夫だと。


日曜も私より早く部屋を出たスマ。
最後の洗濯物をたたみ
オイルヒーターを消して、窓の外を見ると
また風花のような雪が舞っていた。

ここで二年の月日を過ごしたスマの部屋
この部屋からの眺めはおそらく見納めになるだろう。
私も、つかの間、かりそめの街暮らしで
立ち去りがたいような気持ちになりながら
鍵をかけて帰途についた。








by sarakosara | 2018-02-03 23:03 | 家族のこと

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