東の茶屋街 昔語り

西の茶屋街が犀川沿いだったのに対し
東の茶屋街は、浅野川沿にある。
浅野川大橋の上から卯辰山方面を望む。

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西の茶屋街に比べ規模も大きく
ほど近いところに主計町という茶屋街もあるためか
観光化が進み若者や海外からの観光客で賑わっている。
人並みが途切れたひとこま。

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今も現役のお茶屋さんが並んでいる。

う〜ん、確かこのあたりに‥
と見ていると
あった!

ここも妙立寺同様、21歳、冬の一人旅だった時に泊まったところ。
まだ民宿としてあることに少し驚いた。
あの時は今の私くらいの年齢のおばさんがひとり迎えてくれたけれど
ご存命でも90歳以上か。
ご家族が継がれたのだろうか
声をかけてみようか迷ったけれど、写真だけ撮って通り過ぎた。


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もう40年近く前。
五木寛之の小説を読んで、内灘という海岸を見たくて一人やってきた。
まだこの辺りも今ほど観光地化されておらず
厳冬ということもあり
その晩も泊まったのは私一人だった。

若い娘の一人旅と知って
民宿のおばさんも心配していただろうに
私は兼六園で知り合った人と一緒に
その人の知り合いがやっているスナックに行き
ママさんと、その息子さんという小学生くらいの男の子と
四人で盛り上がってしまい
連絡は入れてはいたものの、民宿に帰ったのは
もう10時近かったと思う。

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民宿のおばさんは
今夜はあなた一人なのよ、
まぁ炬燵に入りなさいと、おばさんの部屋に通してくれた。

そこで炬燵で温まりながら
最近ね、ここらたりでは若い女の子に声をかけて
最後に加賀友禅を売り込む商売が流行っているから
兼六園などで声をかけられても、ついて行っちゃダメよと
私の行動を見透かされたような話。

翌日も内灘海岸に連れて行ってもらう約束になっていることはとても言えず
はい、気をつけますと神妙に返事。
大丈夫ね?と
優しく釘をさされた。

二階に上がる階段も
昔お茶屋だったという風情たっぷり。
紅殻の赤い壁に仕切りは襖だけの部屋にひとり。
通りからさす街灯の薄明かり。
寒い冬の夜、布団にもぐって文庫本で読んだ世界に浸ったことを
懐かしく思い出した。




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お茶屋ならぬ、近くのカフェに入って
ティータイム。

ミコは季節の和菓子とグリーンティー。
ちょうど10月ということで、ハロウィンモードのかぼちゃのランタン風和菓子。
へぇ、これが季節の和菓子なんだぁと、ミコと、ふふふ。

私は白玉あずきと、
お茶の茎を焙じた加賀棒茶。
この日は季節外れの暑さだったので冷たいお茶にしようか迷ったけれど
せっかく金沢に来たので加賀棒茶に。
香ばしくて美味しかった。


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昔泊まった宿の話もしたら
「それで、加賀友禅は売り込まれなかったの?」とミコ。
「うん、案の定最後にお店に連れて行かれた」
「で、買った?」
「ううん、買わなかった。
 嫌な顔をされるかと思ったら、それがね、お嫁に来ないかって言われて
 まだ21歳ですから早いですっていうと、
 金沢では少しも早い歳じゃないよって言われてね」
そういうと、ミコに
ふ〜ん、と、微妙に笑われてしまった。

本気で言われているとはとても思えなかったけれど
お嫁にきまっし、と言った、その人の金沢言葉が
旅から帰っても、しばらく忘れられなかったことは
ミコには言わないでおいた。

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外に出ると日は西にずいぶん傾いていた。
そぞろ歩きしながら、お店にも何軒かよって
加賀麩をお土産に一つ。

この日はミコが夕食をご馳走してくれるというので
予約しておいてくれた片町へまたバスに乗って向かおうかと
浅野川大橋の方へ戻る。
ライトアップで昼間とはまた違う表情。


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秋の日はつるべ落とし。

暑い暑いと歩いた一日も、
さすがに夕暮れになると涼しい風が吹き、
みるみる空が燃えだし
とびきりの夕焼けに遭遇することができた。


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遠く近く、
鳶が何羽も連なって飛んでいく。
そう言えば、加賀鳶という金沢の有名な日本酒があったっけ。
帰りに寅さんに一本買って帰ろうか。







by sarakosara | 2018-11-25 15:11 |

忍者寺 妙立寺

さて、金沢の旅。
お昼を済ませて、ほど近いところにある妙立寺へ向かう。
二時の予約、15分前には到着しておいてくださいと言われていたので少し早めに。
それでも、もうそこそこ人は集まっていて
境内には色づいた木もあったけれど
ジリジリと夏のような日差しに、皆木陰を探して立っている。

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ここへ私が訪れるのは何度目だろう。
初めてきたのは、21歳の冬、雪に埋もれた一人旅だった。
兼六園で知り合った人が教えてくれ、連れてきてもらった。

その頃は季節柄もあったかもしれないが
まだ予約制の見学ではなく人も少なかったように思う。

それから友達と、そして寅さんと。
何度来ても興味深く面白いので
まだ知らない人を連れて来てしまう。
そして、今回はミコ。

忍者寺との異名があるけれど、忍者とは一切関係ないお寺ですと
案内の人が言う。
では、なぜ忍者寺と呼ばれるか。

以前ブラタモリでも取り上げられていたことがあったけれど
この界隈は寺町と言われ、お寺が多い場所。

加賀百万石前田家との繋がりが深く、
当時力を持っていた外様大名の前田家が幕府からの攻撃を迎え撃つため
自然の外堀のような犀川の外側で、敵を陥れる仕掛けをあれこれ施したお寺ということらしい。

よくぞここまでと、敵を欺く仕掛けが次々とあり
お寺というより、金沢城の出城のような存在でもあり
前田家の置かれた立場の複雑さも感じられる。
しかしその複雑さと一緒に、遊び心を凝らした部屋づくりもあったり面白い。

こちらに詳しいことが書かれている。
興味のある方は、金沢に行かれることがあったらぜひ。

午後三時。
北鉄バスの1日乗車券で再びバスに乗り
次は東の茶屋街へ。




by sarakosara | 2018-11-18 16:35 |

ボヘミアンラプソディ

先週末、ミコの夫、Y君のお母様が仙台から来られた。
今月がお誕生日のT子さん。
私同様、還暦を迎えられる。
ミコたちの部屋に泊まるのでは手狭なので、日帰りされると聞いて
もしよかったら我が家へ泊まったらとお誘いしたところ
ご厚意に甘えてお邪魔せてもらっていいですか?と
嬉しいお返事。

土曜日昼間は、ミコが出勤なので
Y君とお母さん二人、親子水入らずで、お誕生プレゼントの上野デート。
美術館でのフェルメール展がT子さんのリクエストだったらしく
こんなこと何年ぶりだったかと、嬉しそうにY君と夕方我が家にやって来られた。


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その晩はミコも合流して、我が家で夕食。

昨年ご主人の七回忌も済み
今年長男のY君とミコの結婚式も無事終え。
ほっと一息。
今回娘さんと、お孫ちゃんが二人で職場の慰安旅行に出かけたので
それなら私もと、一人で上京したのだという。

ああ、命の洗濯ができましたとT子さん。
お持たせのワインで、みんなすっかりいい気分。

Y君は日曜日は出勤とのことで
二人は帰宅。

翌日の日曜日はT子さんはフリーということで
帰りの新幹線時間までどうしようかなぁと思案していたけれど
思い切って話してみたことがあった。

もしよかったら、ボヘミアンラプソディの映画
ご一緒してもらえますか?と。

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私は取り立ててQueenに詳しいわけでも、心酔していたわけでもない。
1970年代から80年代
ごく有名な曲を聴いてLPを一枚買っただけ。
けれど、その一枚に
この映画のタイトルにもなっいる「ボヘミアンラプソディ」が入っていた。
チャンスがあったら観てみたいと思っていた。

T子さんと私は同い歳。
同じ時代で青春を過ごし
ご家族みんな音楽好きで
亡きご主人とのご縁も音楽だったと聞いていた。
Y君のエレクトーンは玄人はだしで
T子さんも、独身時代にはアマチュアバンドのギターを弾いていたと。

そんなバックグラウンドを聞いていたので
観たかった映画に付き合ってもらえるかもとひらめいたのだ。

案の定、二つ返事でぜひと言ってくださった。

2時間13分、つまらない映画なら嫌気がさす時間なので
正直少し心配していた。
自分だけならまだしも、お誘いしてしまったことを悔やむことになったらなぁと。

評論家の評価はどうやら低評価が多いらしい。
けれど、その評価とは真逆に観た人の評価は高いという。

半信半疑、先入観は捨てて観た結果。
少しも長いと思わず
最後の20分、1985年にロンドン郊外のウェンブリー・スタジアム
7万人以上を集めて行われた
チャリティコンサート、ライブ・エイドのシーンは、
ボヘミアンラプソディの歌詞と
リーダーでボーカルのフレディ・マーキュリーの心情が重なり
涙があふれてしかたなかった。


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何より渾身の音楽から伝わってくるものが胸に熱く迫り
理屈じゃなく音楽ってほんとうに素晴らしいと感じさせてくれる。

事実とは多少違う部分もあるらしい。
評論も様々。
感じるものも、人それぞれだと思う。
けれど、IMAXという大画面で見た映像は臨場感たっぷりで
私もライブエイドの観客の一人になりきっていた。

T子さんも興奮気味に、
懐かしかった〜
ほんとうにみてよかったと言ってくださった。
ランチをしながらも、しばしQueen談義。

それからお土産など買い物を少しして
大宮の新幹線まで送っていく道すがらも
映画よかったわぁと何度も言ってくださり
帰宅後のラインにも
無事に帰宅したことの後に
しばらくQUEENに夢中になりそうですと嬉しい言葉。
はい、私もですと返信した。

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朝の身支度の時にいつも音楽を聴いているけれど
最近は、Queenもお気に入りに加わった。
若かりし日々、何度もプレーヤーに乗せて聴いたレコード。
あの頃のジャケットはよかったなぁ。
私の日々には、やはり音楽が必要だ。





by sarakosara | 2018-11-18 15:59 | 好きなこと

迷い道

例年12月で一旦契約が切れる仕事。
それがつい先日、一年通しでの契約に変えられるという話になり
冬場は市役所の仕事に行っていたけれど
今の職場で一年通しになれば
有休も翌年に持ち越せるし、色々楽になるということで
年明けは、冬場も今の職場で仕事をすることにした。

それはとてもありがたいことなのだけれど。

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ここ最近、同じような夢をよく見る。
道に迷って、目的地にどうしても、辿り着けない夢。
そして決まって車の運転をしている。
すぐそこに行き先が見えているのに
道が行き止まりだったり、一方通行だったり。

つい数日前も、家に帰る一本道が
壁のように垂直にそそり立っていた。
登ってすぐのところに踏み切りもあるらしく
白い車がそこで待っているのが見える。
踏み切りが開き次第、次の車が登れるらしい。
垂直だけどね。
え〜できるかな。難しそうだなぁ。

いやいや、現実世界にそんなものがあったらまずその時点で無理とわかる。
無理もなにも、ありえないし。
けれど、私の場合、夢の中で夢であることが認識できたことはなくて
あくまでも現実に起きていることなのだと必死になっているところが可笑しい。

迂回路もありと書かれていたので
諦めてそちらに回るが、
今度は家に帰るカーナビがどうしても入力できない。

寅さんに電話して、どうしたらいいか訊きたいのに
電話をしたら、叔母にかかった。
なんでやねん。
万事休す。

朝起きても、やれやれ疲れたぁとなる。



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真偽のほどはわからないけれど
夢占いで調べてみたら、道に迷う夢は
自分自身が進むべき進路や、目標を探して迷っているとあり
うん、当たらずといえども遠からず。
そんな気もしてくる。

還暦を迎えて仕事の契約も更新した。
65歳という新たな目標もできた。
新人さんも増えて、制服もできて
色々なことが新しくなったけれど
それなりに新しい体制にも慣れて、充実しているといえば、いえる。

でも、そんな職場環境とは反比例するように
いつまで、この仕事を続けられるかなと
自信を持てなくなっている。

細かい文字や検査データとの照合や
校正のような細やかな仕事。
一日数百人のデータをひたすら見続け
シャープペンでチェックを入れていく。
健診結果を間違えたら大変と集中すると
眼や頸は疲れるし、午後になると眠気はくるし。
夕方には根気がなくなるし。

65歳までの5年が
果てしなく遠い道のりに感じられてしまう。

秋の健診シーズンで忙しいせいかな。
一つの区切りの時を迎えて
子供達も独り立ちしたし、気が抜けたのだろうか。
フルタイム、週5の仕事が少し重い。
朝は気合を入れて職場に向かっている。







by sarakosara | 2018-11-04 22:40 |

遠きにありて思ふもの
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